他業種とのコラボについて

鍼灸の持つ守備範囲は意外にも幅広く広がりを持っています。
癒し、美容、スポーツ、医療など。
通常はそれぞれの鍼灸仕事に専門分野があり、私の場合は医療にシフトしています。
しかし専門以外もそれなりに対応できるので、その曖昧さを生かしながら他業種とコラボすることを試みてきました。

1.複合カフェ
old clinic
やってみて相性がいいと思ったのが、自然をテーマにしたショップが集まる企画です。
ナチュラル志向のカフェ、レストラン、ミニコンサート、雑貨などのイベント内でのコラボ企画は、まるでパズルのピースのようにカチリとはまり、居心地の良いものでした。
私としても通常診ている患者さんとは違った年代の人を数多くこなせること、ハリが決して痛くないことをPRできるのでありがたいと思いました。
元々はカフェのマスターが知人で、こうした企画が得意なことから声をかけていただいたことが始まりでした。

2.目的型ステイのツアーとして
hari-stay
1と同じようなコンセプトで「自然体験ツアー」のメニューの中にハリ体験とお灸教室を組みこんでみました。
このツアーでは、「自然の癒し」をコンセプトにした体験型のツアーで、温泉、染色体験、森林浴、自然食、地元の人々との交流など盛りだくさんのツアーでした。
参加者とスタッフが友人同士のように心を通わせるもので好評で、このような体験型のツアーと鍼灸はとても相性が良いということを実感しました。
この企画もツアー企画者が地元で森林療法を研究している団体だったことから成立しました。

3.病院との提携
hospital mini
鍼灸を病院と提携しながら話題の「統合医療的なもの」を練り上げることは当初より目標としていました。
それは前職で病院内施設の東洋医学科を経験したことからもやれそうな予感があったからです。
そこで提携や鍼灸の保険治療ができないかなど模索してみましたが、こちらは思うように進みませんでした。
他でうまく運用している例を調べてみると、病院と鍼灸の提携に関しては、漢方をきっかけになっていることが多いようで、そうした足場のない所に新しい試みを行なうのは難しいのかもしれません。
大阪では2012年に漢方医師と鍼灸師が共同で次のような交流イベントが実施され、興味深いと思いました。

「漢方と鍼灸の体験交流会」

    • 味わう漢方 井上啓史(漢方医)
      代表的な漢方薬の処方、症例、生薬のテイスティングなど体験型の講義を実施。
    • 体験する鍼灸 猪飼祥夫(鍼灸師)
      針の種類や刺し方を説明したテキストを配布し、墨やミソ、塩、枇杷葉を利用した様々なお灸や、難病に効果がある刺絡という特殊なハリ技術を希望者に実施。
    • 交流会
      そのまま立食形式の交流会が行なわれ、同じ東洋医学というバックボーンを持つ者同士ということで話も弾んだようです。

*参考:鍼灸OSAKA 108号

このように別業種と組み合わせることで1+1が2以上のものになること、また体験型の企画が持つアピール力はかなり強いということを実感しました。
私も機会があれば、漢方茶や薬膳酒などを漢方医や薬剤師の先生に担当していただき、私はお灸教室やハリ体験を行ないながら「東洋医学で体のウチとソトのセルフケア」をワークショップでやってみたい、などと考えています。
たとえば次のような感じです。

      • 一部:ほっこりハリ灸時間
        ツボの解説、お灸の方法を説明し、希望者はハリ治療も。
      • 二部:日常に取り入れる漢方の知恵
        体質に合わせた漢方茶と薬膳酒の作り方。
      • 三部:薬膳ビュッフェ
        地元オーガニック野菜を中心としたヘルシーメニューで歓談。

病院との提携については道半ばでしたが、治療室で診た症例を中心にマニュアル化はある程度進みました。
今後はこれを元にハリでできること、できないことについて知見を深め、技術を磨いていくことを目標にしています。