月別アーカイブ: 2014年7月

メメント・モリ

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小さな町に住んでいると、町の誰かが亡くなるとすぐにわかります。
そして、うちに通院されている方でないとわかると不謹慎ですがホッとします。

これまでうちの患者さんで亡くなられた方はいらっしゃいませんが、癌になったり、関係する身内の方を亡くす方がいらっしゃるので、意外に身近にある「死」というものを意識します。
私はできるだけ自分の好きなように生きればいいなと思っていて、その流れからこの仕事を選んで、人生を元気に生き抜けるようなセルフケアを模索してきました。
人生には「必ず」死という終わりが待ってるわけですから、どのように迎えるのが良いのかというのは子供だった頃から頭にあります。
下のリンクしている著者は京大卒の医師で、老人施設で数多くの自然死を見取ってきた方です。

その方が推奨している死への作法は比叡山の千日回峰行を元にした次のような断食による旅立ちで、うまくいけば大体20日~1カ月ほどで旅立てるそうです。

食事はだんだん減らす。
食べるのは五穀のうち玄米、木食(木の実)の銀杏、そして清酒にする。
清酒は1口ずつ、時間をかけて口に含み、一日中飲んでいてもよい。
つまみは銀杏と炒り玄米を少量、玄米は1日に0.1合程度とする。

食のコントロールは今でもそれなりにやっているので、中々面白い方法だと感じました。
「その時」はきっとまだ先のことでしょうが、たとえ今日その日を迎えたとしても悔いのないように毎日を過ごしていくことが大切なのだと思います。

メキシコのシャーマン世界では「死」を擬人化し、私たちが生きている間、すぐ「左側」で共に伴走してくれ、最後の旅路を案内してくれる「友」としています。
私の鍼灸の師は亡くなる前日まで治療を続け、その日の夜に眠るように旅立ちました。
願わくば師のように自分のやるべきことをやって「彼」と共に行く最後の旅に備えたいものです。

縁側の至福

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ご縁があって地域のイベントに出張治療に出かけてきました。
今回は古民家の中にある長い渡り廊下の縁側とツウ好みの場所です。
治療室で行なっているような丁寧な治療はできないのですが、座った状態でも首や肩のコリを取ったり、膝の痛みを緩めたりといった簡単なことはできます。
あいにくの雨模様なのでそれほどたくさんの方は見えられないだろうと思っていたら、予想外の人出となって驚きました。
また、気楽な気持ちでいたら、中には重症の方が混じっていて、二度びっくりです。

それでも全体的にはのんびりとしていて、縁側を眺めながら気軽に順番待ちをする方々、昼時にはとんでもなく美味しいフランス料理が出てきたりと、いつもと違った気分で治療をしてきました。
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今回のイベントは地元の保存会がほとんど手弁当で運営し、しかも毎年開催して今回で10回目になります。
その主催者の懸命さと人柄に打たれて大勢の出展者が集い、ワークショップ、CAFEなど密度の濃い出店が実現しました。

小さな森の町はとても元気です。

ハリ×cafe

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地域のイベントを少しだけお手伝いしてきました。
うちのハリは服の上にあてるだけということで、あまり場所を選ばずに行なえます。
もちろん、本当にちゃんと見ようと思ったら手間と時間がかかってしまうのですが、首や肩や膝のちょっとした痛み程度なら結構簡単に取ることができるので、出張してきました。

こうした場だといつもの患者さんとは違った層の方々と接する機会が多いので、気分転換を兼ねて気軽に引き受けています。
今日は、その中に海外の方がいらっしゃいました。
旅先で外人さんを治療することはありますが、国内では初めてで新鮮な経験でした。
こういうのがあるので、出張は楽しみですね。
いよいよ明日です。

千客万来

先週の週末から今週にかけて立て続けにお客さんが来訪し、会食をしてきました。

まずはこの方です。
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作家であり、また貧困撲滅に関わる社会活動を行なっておられます。
私自身が作品の愛読者であることを広言していたので声を掛けていただき、幸運な出会いを果すことができました。
とてもエネルギッシュで、勢いがあり、それでいて柔軟で人の話を引き出す聞き上手な方でした。
政府とも共同事業をしたこともあり、その中で清濁併せ呑むというか、ちゃぶ台をひっくり返すのではなく、柔軟に対応できる忍耐力や交渉力を身につけたのだろうなと思わせるものでした。
偶然にも私の別の知人とも面識があるようなので、次回はその知人宅での再会を誓って別れました。

もう1人は私がネパールでお世話になった方です。
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日本に留学経験があるので、流暢な日本語、英語を自在に使いこなし、また人懐っこく、明るい人柄で国内に多くの知人がいて、日本を横断する途中に寄って下さったのです。
懐かしくてつい飲みすぎてしまい、自転車にまともに乗れないくらい泥酔してしまいました。
そのため翌朝、つまり今日は重い頭を抱えながら、つらい1日を過ごすことになりました。

私は健康法を模索する中で、少食生活を行なっていますが、この食生活の弱点として暴飲暴食をした時のダメージの大きさを痛感しています。
明日は隣町にある、お気に入りのレストランを案内するつもりですので、私の胃袋には更なるガマンを強いることになりますが、もうひとがんばりしてもらいたい所です。

本読みの戯言

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時々、趣味の話を聞かれることがあります。
私の趣味は、鍼灸、読書、旅の3つで、「やりたいこと」と「やっていること」がほとんど一致している幸せを実感しています。
仕事が終わるとたいてい本を読み、休日も行きつけの喫茶店に本を持ち込んで読書三昧で過ごしています。
本は小説、エッセイ、実用書、雑誌、コミックなど何でも読みますが、その時々に興味を持った事柄について網羅的に読むことが多くあります。
また最近はインターネットでクオリティの高い文章に出会うことが多く、更に楽しみが増えてうれしい悲鳴を上げています。

そしてこうした合間に旅行に行っています。
旅行はただ出かけるだけだと面白くないので、鍼灸や地元の伝統医療を足がかりにして行き先を決めています。
異なる言語や文化に触れながら自身や日本を省みることはとても刺激になり、面白いです。
でも本当はそんな「理由」を越えたもの、そう、登山家が山に登る理由、そしてランナーが走る理由のようなもので出かけるのだと感じています。
つまり「ただそうしたいから行く」ということです。

また旅の延長にあるのが引越です。
未知の土地に住んで、そこを理解するにはどうしても数年は滞在しなければなりません。
国内ばかりですがもう10回くらいは引越し、だいたい一箇所につき長くて5年くらい住んでいます。
今は仕事や趣味を楽しみ充実した日々を満喫していますが、いつか「明日いる所はここではない」という心の声を聞いた時は、身の回りの荷物だけを手にして長い旅に出る日がくるのかもしれません。
それまでは、好きな本をたくさん読み、人体の深遠をハリを通して覗いてみたいと思うのです。

旅のトランク


子供と豊かさ

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ネパールの田舎町に一週間ほど滞在しました。
この国も首都の方は今や開発ラッシュで慌しくて、まるで日本のようなのですが、田舎の方ではまだのんびりした雰囲気を残しています。
段々畑や田園地帯が広がっていて土地は豊かなので、自給自足をすればのんびり暮らせます。
資源もない貧乏国なので、これまでに積極的に攻め込んでくる隣国もいませんでした。
そのせいか、この辺の人々はあくせくせずにのんびり暮らしていました。

私はさっそく行きつけの喫茶店を見つけて毎日のように通い詰めていました。
ここは美味しい朝食を出してくれるのです。

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ご夫婦でやっているのですが、奥さんは近所の奥さんと井戸端会議をやっていることが多く、旦那さんもよく不在にしていました。
ある日も奥さんが1人で本を読んでいたので「旦那さんはどこに行ったの?」と尋ねると、「天気がいいから、レイクサイドをサイクリングしているわ」と言います。
万事がこんな感じでした。
また喫茶店でよく見かける小学生くらいの女の子がいました。
店の人からジュースを飲ませてもらったりしていたので、てっきりここの子かと思ったら、近所の子でした。
いつもママさんの後ろに隠れて少しだけ顔を出してはにかむように笑っている姿は、何だか遠い昔に見た日本の子供を思い出させました。

そんな感じなので、この町の平均収入は都市部に比べると遥かに少ないのですが、肌に感じる印象は貧しさどころか優雅でのびのびした暮らしぶりでした。
特に子供は好奇心旺盛で、恥ずかしがり屋で、子供らしい子供が多かった気がします。
夕方には学校から帰ってきた小学生くらいの子供が路地を走り回りながら、近所の他人の家に自由に出入りし、それをまた皆が大らかに許しているのです。
そして薄暗くなるとカレーに似たダルスープのいい匂いが漂い始め、子供たちはめいめいが温かな我が家に帰っていきます。
こういう子ともたちが多い場所はGNPなどの経済指標では決して図れない豊かさがあるのだろうなと思わせました。

私が現在住んでいるこの場所もまだそうした気配を残していて、家路に向う子供たちの背中を見ると、ネパールで過ごしたかつての日々を懐かしく思い出します。

チベット医学の診療所

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中国医学と仏教医学をハイブリットで運用しているというチベット医学に興味があり、クリニック「クンフェン・チベット・メディカルセンター」を訪ねました。
クンフェンとは「慈悲」を意味するチベット語です。
せっかくの機会なので私自身が治療を受けてみるつもりでした。

クリニックは入り口が小さくてわかりにくいのですが、中は伝統的な建築様式になっていて広い中庭があり、そこを横切って奥の建物に診療室がありました。
待合室は10人ほど座れるイスと正面に受付兼薬剤処方のカウンターがあり、2人の女性が忙しそうに立ち働いていました。
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しかしここは既に満員になっていて中庭にあるベンチには入りきれなかった患者が10名ほどがのんびり待っていてかなり繁盛しているようでした。
患者はほとんどが地元の人で、外国人は私一人です。
当然ながら好奇の視線にさらされました。

診察していただいたのはタシ(Tashi)先生です。
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ラサにある医学校(メン・チー・カン)を卒業した女医さんで、父のKunsang医師と共にクリニックでの治療にあたっているとのことでした。
タシ先生はメガネの奥に静かな瞳をたたえたやわらかな雰囲気の人で、理想の女医さんを思い浮かべた時に何となくイメージするそのまんまの方でした。
疲労と寝不足を抱えていたので、そのことを簡単に説明すると診察が始まり、手を取られました。脈診です。
手首に3本の指を置き、片腕ずつを順番に見ていました。
先生によれば、私は「カラダの中の風(気、ルンと言う)の巡りが悪く、ストレスを抱えており、背中全体が張っている。
また腎臓の働きがよくないので、水分を十分に取り、コーヒーなどは控えるように」というアドバイスを受けました。

診察時間は15分ほどで、受付で薬草で作った丸薬2週間を出していただきました。
薬草は国境に近い高山地方で採取された自然のものが使われていて、赤やピンクのカラフルな紙で包まれていました。
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これをお湯と一緒に噛み砕きながら食事の前後に飲むのですが、かなり苦い味でした。
各国の医学はそれぞれの伝統や文化と軌を一にしながら存在しているので、とても多様性があって興味深いと思います。
体が動く限り、時間が許す限り、そうした文化を見てみたいものです。
来年は時間を作って少し長く旅してみるつもりにしています。

旅のトランク

確定申告

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自営業の場合は、事業に関わる収益状況を「青・白色所得税申告決算書」を作成して明らかにし、その所得額を元に「確定申告書」を作成して最終的な所得税を支払わなければなりません。
税理士さんに帳簿を渡すか、会計ソフトに打ち込めば自動的に処理してくれるので、あとはそれを税務署に提出すればしばらくしてから支払額の通知が届き、支払えば終わりです。
しかしおカネの流れを自分なりにコントロールするためには、このシステムをそれなりに理解することは重要です。
以下に備忘録を兼ねてまとめてみます。
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