月別アーカイブ: 2014年6月

鍼灸師のかけこみ寺

hujimura manshon
同門の先生の治療室を訪ねてきました。
特に体調を崩したわけでもなかったのですが、帰国時にここの空港を経由することになったので、旅の疲れを癒し、ついでに治療技術をレクチャーしてもらおうと思いたったからです。 続きを読む

往年の京都を偲ばせる浮世絵

京師 歌川広重
江戸期の有名な版画家「歌川広重(1977~1858)」の東海道五十三次シリーズの中の「京師(けいし:京都のこと)」です。
描かれているのは賀茂川にかかる「三条大橋」で現在も京都の交通の要所として人々の往来を助け、遠くには東山も描かれています。
浮世絵は江戸時代に大量印刷を行なうために工夫された技法で、絵師が描いた絵に従って、多色刷りとなる1色ごとの絵柄を彫師が彫り上げ、順番に色付けして刷師が刷り上げるという複数の職人のチーム作業によって丁寧に作り上げたものです。

最近、治療室は「和」をテーマにしているので、日本の伝統的な作品を飾っています。
機会があればぜひご覧下さい。

股関節痛

kokansetsu
60代の女性が股関節の痛みで来室されました。
1ヶ月くらい前から左股関節が痛くなり、寝返りを打つときに痛みが出て熟睡できず、だんだんひどくなって歩く時にも痛みが出て、同時に左膝も痛くなってきたとのことでした。

気の滞りは左臀部に感じました。
座った状態で膝同士をくっつけることができず、O脚が進んでいるようで、痛みはお尻にある殿筋という筋肉、股関節にある大転子という骨の出っ張り、そして膝の内側にありました。
そして膝を内側に回す内転という動作で強い痛みが出ていました。

治療ではまずうつ伏せに寝た状態で、お尻とその周辺にあった気の滞りを取ります。
そして触診で感じた臀部と膝内側の筋のハリを取りました。
この時点で痛みはかなり取れましたが、まだ左足を内側に捻った動作が痛いとのことでした。
そこで仰向けに寝てもらい、内側に足を捻って痛みが出ている状態で浮かんできた治療点を使いました。
すると痛みがほとんど取れて足が内側に曲げられるようになりました。
念のために今度は外側に足を開いた状態で内転筋群と呼ばれている太もも前にある大内転筋などを探るとまだハリが残っていたので、これも取りました。
kokansestsu naiaten
これで全ての痛みが取れ、座った時には両膝がくっつくようになり、立った状態ではO脚がまっすぐになったので喜んでおられました。

今回は日常生活の中で股関節を痛めて、仕事が忙しかったことから治りきらずにこじらせてしまったことが原因であることが伺えました。
痛めてから短い期間だったので他の筋に痛みや歪みが及んでいなかったこと、そして痛みが内臓などから来たものでなかったことから、短期の治療で良い結果が出たようです。

となりの薬膳料理

本業の合間に薬膳料理を研究することになり、その一端として近隣の薬膳料理の宿に行って来ました。
最近、健康志向が高まっていることもあって、都市部では薬膳料理を提供するお店が人気を得ています。
私の町でも新鮮で美味しい食材が色々と取れるので、地元のレストランでそうした料理が作れないか、ということで企画が始まりました。

まずは先行事例として近隣を調べてみたのですが、驚いたことにほとんどありませんでした。
2年ほど前の記事で「導入を検討している」市町村はあるようでしたが、その後話は進んでいないようです。
うまく行けば一番手に躍り出ることができるかもしれない、という皮算用も働きます。
そんな中、ようやく一軒のみ見つけることができました。
車で片道6時間近くもかかる、途方もない距離の所でしたが、ここに宿泊して薬膳料理を食べてきました。

宿は部屋数30程の中規模ホテルで、地元の自治体が半官で経営しているようです。
動物園や遊園地に囲まれた敷地内の一角にあり、近隣にはサイクリングコースやゴルフ場なども整備されていて、充実した施設を備えているようでした。
しかし立地はかなり山奥にあり、交通は事実上マイカーのみと集客に不安があり、規模の大きさと採算性のバランスについては疑問に感じました。

今回食べた料理のメニューは次のようなものです。
DSCN1605

デザートの「アスパラプリンの生クリームときな粉かけ」と食後のオレンジのハーブティです。
DSCN1607

このメニューから薬膳的な要素を拾ってみました。

薬膳
・紅花:滞った血液の流れをよくする。
・紫蘇:気の通りを良くして胃腸の調子を整える。
・黒酢:血行をよくして血圧上昇を抑える。
・棗(ナツメ):気力を補い、胃腸の働きを良くする。
・ホタテ:ミネラルが豊富でアンチエイジングの効果を持つ。
・ニンニク:血行を良くするほか、免疫力強化、鎮痛の効能もある。
・味噌:余分な水分を排出するのでむくみに効果がある。
・春菊:気のめぐりを良くして不眠を解消してくれる。

どれもありふれた食材で、当初イメージした漢方食材のようなものはほとんど使われていませんでした。
ちなみに料金は3000円で、それぞれの料理にシェフの工夫が感じられるような美味しいものでした。
その一方で「薬膳」というほどのインパクトは少なく、予め聞いていなければ今回の食事が「薬膳料理」ということに気づかないかもしれないと思いました。

結論としては「地元で取れた旬のものを使う」「食材の効能などの薀蓄を伝える」「レストランが大切にしているコンセプトを物語の形でまとめる」などが重要だと感じました。
私は料理に関しては素人ですが、食材の効能としての中国医学の用語などについては鍼灸の治療理論と共通するので効能書きの説明についてはアドバイスできそうです。
これらを1つ1つクリアしていけば、地元レストランでも薬膳料理の提供が可能だと思いました。

腰下肢の痛み

youkasituu

30代の男性が腰痛と右下肢の重だるさで来室されました。
会議や事務仕事が続いてから鈍い痛みの腰痛が2週間前に始まり、その後右足も重だるさとしびれるような感じが出て悪化した感じがするとのことでした。

触診ではお尻の所の仙骨に近い部分にある腰方形筋とお尻の外側にある殿筋群にハリがあり、この辺の筋が固くなって下肢の血流が悪くなっているように感じました。
また右足のフクラハギ部分にも強いハリがあり、押されると強い痛みが出ていました。
フクラハギは心臓から最も遠くで、重力の影響を強く受けるので血液や体液が滞留しやすい場所です。
歩いたりしてフクラハギの筋を使うと、筋のポンプ作用で血液を心臓に押し返してくれるのですが、座りっぱなしの生活が続いたことからこの部分の血流も悪くなっているようでした。

気の滞りは右腰にありました。
気の滞りをまずとり、その後にハリのある部分から治療点を探し出して治療して行きました。
この時点でほとんどの痛みが取れました。
しかしベッドに腰掛けてもらうと座った状態でベルトの位置に沿った右腰部分に痛みが現れたので、同様にここから治療点を取ると痛みが消えました。
そして念のため、座った状態でフクラハギを触診するとやはりまだハリと押圧痛が出ましたので、ここから探した治療点を使うと全ての痛みが消えました。

痛みや気の滞りは特定の姿勢をとった時に生じることがあります。
そのため治療室ではベッドに横になった状態だけでなく、座った姿勢での胸・腰・膝下、立った状態での腰・足などは必ずチェックするようにしています。
この特定の状態で生じやすい痛みを取るようにすると治療後の経過がとても良いのです。

患者さんには忙しい中でも簡単な散歩でカラダを動かすことと、臀部のストレッチを指導して終了となりました。

世界の郵便事情

ここは個人的な備忘録としても利用していますので、海外の輸送方法についても書き残してみます。

海外渡航では現地の知人に大変お世話になることが多く、帰国後も手紙やクリスマスのプレゼントなどを贈ることがあります。

調べてみると色々とあるようですが、私は日本郵便の次のようなサービスを利用しています。

続きを読む

台湾の中医師

台湾では鍼灸は中医師という東洋医学を行なう医師が行なっていました。
中医師は大学の医学部で7年間学び、国家試験に合格しなければならず、内科や外科などと同様に中医学科として制度化されていました。
日本では一般の医師が鍼灸と漢方と両方、鍼灸師が鍼のみ、薬剤師が漢方のみを行なっていますが、台湾でこの中医師が鍼灸、漢方を使って治療を行なっています。

今回は台湾の中医師が一時期私の母校に針灸留学していたご縁で、勤務先の病院を案内していただきました。

この病院は市立の施設でビル1棟が病院となっていて、中医学科はそのうちの1フロアに入居していました。
そして更に針灸科、漢方科、傷科(整骨科)に分かれていました。
DSCN1553

針灸科では2人の医師と2名の看護師でベッド20台ほどを担当していました。
そして一人当たり問診3分、針治療が10分以内という時間配分で次々と患者さんを回していました。
短い時間で治療を終えなければならないのは保険との兼ね合いとのことで、日本の健康保険とよく似た制度を取り入れているようでした。
治療費は一回分の患者負担が約200円、保険として医師に支払われる分が約800円で、6回を1クールとして一ヶ月以内に来院しなければなりません。
そのための保険料は1700円/月くらいということで、日本に比べると割安感がありました。

台湾では中国文化に馴染んでいるため鍼灸への抵抗感はなく、多くの患者さんが来院されていました。
来院している患者さんは、各種の痛み、生理痛などの女性疾患、自律神経失調、パーキンソン病、リウマチなどの方が多いようでした。
鍼は日本の一般的なものよりやや太いものを使い、部位にもよりますが大体3~4cmくらいは刺しておられました。
とにかく凄まじい数の患者さんで、それを次々に捌いていく中医師の手技はスピーディで見事でした。
また看護師さん(台湾では護理師と言います)も忙しい中をキビキビと働いていて、少し時間があれば漢方薬を沁み込ませたシップ薬を作ることに余念はないようでした。
DSCN1537

こうした海外渡航の折には現地で活躍する日本人も探しているのですが、台湾では日本との資格の互換を認める制度がなく、7年もの期間を費やす時間と経済上の負担から日本人中医師はほとんどいないようでした。
その一方で中国医学を学ぶ日本人留学生はいるようで、案内してくれた先輩の母校には東京女子医大の女医さんが学んでいるとのことでした。

先輩は複数の病院をかけもちして変則的な時間で夜10時くらいまで働いていました。
その合間に昼や夜の時間を見つけては、食事に付き合ってくださったり、町を案内してくださったりと心のこもったもてなしをして下さり、本当にありがたかったです。
DSCN1532

美人のためのお茶

トンファンメーレン
せっかく台湾に行ったのでお土産に珍しいお茶も持って帰りました。
その名も「東方美人茶(トンファン・メーレン)」です。

このお茶は製法がとても変わっていて、ウンカという害虫に被害を受けた緑茶が元になっています。
処分する前に試しにお茶を煎れてみたところ、甘くてまろやかな味と香りになっていっていたことに驚き、製品化が進められました。
被害を受けた部分の発酵が進んだことで結果的に独特な旨みが生じたという不思議な偶然の産物です。
この特殊な機序でできるお茶のため希少で、台湾でしかとれず、輸出先のイギリスでは「オリエンタル・ビューティ」として好まれました。
フルーツのような香りと、密のような豊潤な甘さで東方の美人に例えられたことからこの名前が付けられました。

鍼灸室の在庫はあとわずかですが、機会があればぜひ飲んでみて下さい。
きっと「女子力」を上げてくれると思います。

台湾の食事

台湾は中国の文化圏にあるためか、中華料理がデフォルトのようでした。
そして外食が文化として根付いているようで、夕方~夜半にかけて多くの人々が町の食堂、屋台、レストランに集まって賑やかに食事をとっていました。

個人的におきにいりだったのは、毎夜道沿いをにぎわす夜市(イエシー)です。
これは日本で言うお祭りの縁日のような感じで、多くの屋台が遥か彼方までギッシリと立ち並び、安くて美味しい料理を食べることが出来ました。
びっくりするほど美味しかったのは小籠包(しょうろんぽう)です。
shoronpou
肉まんを小さくしたようなものですが、薄い皮には挽肉がたっぷり入っていて、皮が破れて口の中にジュワっと滲む肉汁が溢れます。
これを付け合せの生姜と一緒に食べるとたまらなく美味しいものでした。

また食材には漢方食材がアレンジされていることが多く、夜市で食べた豆腐には甘いゼリーのような豆腐に薬膳の薏苡仁(ヨクイニン)が入っていて美味しく、またカラダに良さそうなもので、生活に根付いた医食同源の一端に触れることが出来ました。
DSCN1513
しかし考えてみれば日本でも「おばあちゃんの知恵」といった感じで、五穀米や食べ合わせの伝統的な知識が伝わっているので、各民族普遍のことなのかもしれません。

他にも色々食べました。
台北にあるラーメン「牛肉麺(ニウローメン)」のお店で、すごい行列ができていました。
DSCN1580

そしてアーロー(ガチョウ肉)は表面はパリパリしていて、脂が少なく、あっさりしていました。
DSCN1566
また甘くて美味しいマンゴーが100円程度で食べられるのも嬉しかったです。

海外に出ると私の場合食のホームシックで無性に醤油料理や味噌汁が食べたくなるのですが、今回に限っては全くそんなことはなく、台湾料理は私の口に合っているようです。
食費も屋台や地元の食堂を利用すると日本の半額くらいで収まるので、旅の間は充実した食生活を送ることができました。

沖縄より南にある国の甘味処

takao cake
台湾から美味しいお土産を持ち帰ってきました。
パイナップルケーキです。
台湾土産としては定番ですが、たくさんのお店が作っていて玉石混交の状態です。
今回お世話になった台湾人医師の先生から「台湾人が結婚式の引き出物として出している」くらい人気のあるお店を教えてもらい買ってきました。
舊振南餅店という、西暦1890年創業・100年以上の歴史を持つ老舗菓子舗のお菓子です。
やわらかなビスケットケーキの中に、パイナップルジャムが入っています
口当たりは良くて味は濃厚、しっとりとしたビスケット感とこのジャムの甘さがたまりません。

今週治療室に来られた方にはお渡しできると思いますので、機会があればぜひ味見してみて下さい。

自炊というスキル

天使

食を調べていた時に、外食産業で提供される食材のことを知るにつけて、外で食事することのリスクというものを考えるようになりました。
チェーン店が運営する外食産業やコンビニの食材は原材料のコストダウンがなされますが、それは通常スーパーに並べたときに誰も手を出さないようなものが選ばれます。
そして味の低下は保存料や調味料などの添加物を法定ギリギリまで大量投入されて防がれます。
それがチェーン店で並ぶおいしそうな料理のヒミツです。
続きを読む

眼瞼下垂

ガンケン下垂
70代の女性が疲れてくると右目の目尻が垂れ下がってきて、目が見えづらいしみっともないから何とかして欲しい、と来室されました。
こうした症状は眼瞼下垂と呼ばれていて、目の周囲の筋肉が衰えて皮膚を支えられなくなることから生じます。

気の滞りは右頚の所にあり、触診ではコメカミ、頬、首、肩など幅広い部分に強い緊張がありました。
これらを治療すると目尻が上がって目がはっきりと開くようになりました。
良好な状態は当初は治療後3日ほど続き、その後、週一度の治療を続けると段々と安定して行き、1月ほど経つと目尻の下垂はなくなったので略治としました。

眼科や形成外科では手術で対応してくれるようですが、軽いものなら鍼灸も効果がありますので、このような時はお近くの治療院に相談されてみて下さい。

漢方と整体を極めたクリニック

以前から興味を持っていた東洋医学クリニックを訪ねてきました。

doctor
院長先生は元々循環器内科を専門としていたのですが、奇縁から東洋医学を研究するようになり、漢方、整体、鍼灸などを駆使して治療にあたって内科疾患、痛みなどの整形疾患から癌や難病まで幅広く対応しています。
漢方は名医とうたわれた日本漢方の達人や本場中医学の老中医から秘伝の処方を引き継ぎ、整体や鍼灸は自ら全国の名人を訪ね歩いて身につけたということで興味津々で訪ねました。

クリニックは閑静な住宅街にありました。
治療はまず問診から始まりますが、予め記入する問診用紙は主訴と既往歴を記入する程度の簡単なもので、一般的な漢方で聞かれる膨大な問診用紙を想像していた私には拍子抜けでした。
診察では初めにまっすぐに立つように指示されて姿勢をチェックし、歪みやバランスを見ているようでした。

一通り体全体のバランスを確認すると実際の治療に入ります。
始めにうつ伏せからで、片方の胸の下に薄い枕を入れて背骨周りの筋肉の緊張を取る治療が行われました。
背骨の横や、首の付け根、肩、腰などを指のようなもので圧迫してくるのですが、思ったより痛くて、てっきり指圧をされているのかと思っていたのですが、実際には木の棒が使われていました。
bou
この棒は中心に親指程度の突起が付いていて治療者の体重を効率的に乗せられるので、指を痛めずに筋肉を緩めることができるようでした。
背中が緩んでくると次は臀部に移ります。
私の曲げた膝を抱えて、片方の手で仙骨を押さえたまま膝を小刻みに動かすというもので、この時点で体は風呂上りのようにポカポカと温かくなっていました。

次は横向きに寝るように指示されて、掌を使って横腹付近と臀部を押して、股関節を前後に挟んで矯正しているようでした。

その後は仰向けに寝て首の調整が行なわれました。
私の首の下に手を入れて揉んだり、首をつまむようにしたり、左右に回したりしました。

最後に座位になって先生が私の背中に膝を当てて後ろに体を預けるような形で背筋を伸ばすと治療終了になりました。
体はポカポカと温かく、背中にあった重苦しさが消え、しかも問診時に話していなかった左手首の痛みも直接触れていないのに薄くなっていました。

全ての治療が終了すると先生は私の顔色を見ながら状態を確認しました。
私が「治療がよく効いていること」や「手首の痛みが薄くなっていること」を伝えると先生が私の舌の裏と胸下に圧痛があることを確認して「血の滞りがある」と話しました。
そして手の平が埋まるくらいの大量の漢方丸薬を持ってきて、これを飲んでしばらく待つように言われました。
kusuri
これまでの人生で飲んだ最大量の薬で、5回に分けてやっと飲み干しました。
そして15分が経過してあらためて確認すると、胸と腰の圧迫感、左手首の痛みは完全に消えていました。
この漢方薬の即効性には驚かされました。
先生によれば漢方は本来即効性があり、15分を過ぎても効かないのは処方が合ってないか量が少ないかのどちらかだ、とのことでした。
そして治療後は胸の辺りの重苦しさは消えて爽快感に包まれていました。

このクリニックが整体で目指しているのは「背骨を支える筋をほぐすこと」のようでした。
背骨からは多くの神経が内臓や手足に向かって出ているので、この筋が硬くなると内臓なら自律神経の障害、手足ならシビレなどの症状が出てくると考えられます。
そこで筋をほぐすのですが、背骨の筋肉は硬いので指の力だけだと大変なので、木の棒を使った道具を開発したのでしょう。
一般の鍼灸治療でも背骨周りには愈穴と呼ばれるツボが分布して重要されているので、先生は実践の中でこのことを再発見したと言えるのかもしれません。

そしてもう一つの核となる治療は漢方治療です。
日本と中国の大家から直接伝授され、実践によって磨かれたその処方は的確で驚くほどの即効性を持っていました。
その対象となる疾患は風邪などの内科疾患から腰痛などの整形疾患、そして皮膚疾患、癌などの難病まで幅広く及んでいて驚かされました。
院長は気さくな人柄で、漢方や失われつつある優れた民間療法を治療に取り入れようと情熱を傾けていることを熱っぽく語られていました。

色々な治療法と名人の技を体験し、自分も頑張らなければいけないなあと気持ちを新たにしました。

スウェーデン・ハウス

今日はスウェーデンの家について。
日本に「スウェーデンハウス」というハウスメーカーがありますが、まさにそのような感じの色使い、雰囲気の家を多く見かけました。
赤、白、青など原色をメインにしながら、扉やドアの部分だけ色違いにするなどして、スタイリッシュという言葉がしっくりくるようなものでした。

DSCN1288DSCN1289
スウェーデンでは知人の家に滞在しました。
デンマークに近い、南部のローカル線を鉄道で移動し、こじんまりとした駅に着きました。
周辺にはスーパーと電気店がある小さな駅です。

DSCN1342
そこから徒歩10分くらいの所に知人の家はありました。
築100年以上という歴史を刻んだ建物ですが、修繕が行き届いていて、きれいで居心地の良い家でした。

DSCN1341
上の写真は私が泊まった個室です。
2Fにあり、この階には他に2部屋と洗面所とトイレもありました。
そして1Fはダイニングキッチン、個室2つに、温室、ユニットバスがありました。
各部屋が広めにとっていて、ゆったりとしていました。

ヨーロッパでよく聞くのが、家は財産であるということです。
日本もそうだと思いますが、日本の場合、建物は建てた瞬間から中古になってその価値は下がり続けて耐用年数20年とか、30年で減価償却で価値がゼロになるとか言われます。
スウェーデンやデンマーク、ドイツなどでは基本的に家の値段が落ちることはありません。
皆、財産になると思って投資目的で購入し、売却時は少なくとも1.5倍以上で売れることが多く、修繕をキチンとやれば資産価値は下がらないそうです。

日本ではあえてスクラップ・ビルドで建設を推進することで経済を回そうという意図があるのだろうと思います。
しかしこのことは建設業界周辺は良いのですが、数十年のローンに縛られ生涯をかけた高額な買い物をする国民からするとたまったものではなく、ある種の利権として機能していることを伺わせました。

他にも海外という視点から日本を見ると、見えない規制というものを感じることがよくあります。
規制はしばしば既得権と結びついていて、私がいる医療業界もそうですし、建設、農業、音楽などは相当強固なものがあると思います。
これらは鎖国して生きて行くのならそれなりに経済も回るし有効な政策になると思うのですが、ひとたびグローバルという形で外との競争になると、規制と保護は容易に弱点へと変わります。
保護された業界は海千山千の海外勢とがっぷり四つに組むと中々勝てないでしょう。
TPPという黒船の接近は、うちの業界にとっても他人事ではないなあ、などと思います。

このように、空気のように当たり前だと思っていた常識をちょっと見直すのに、海外という視点を借りると中々面白いと思うのです。

スウェーデン:髪の治療院

DSCN1291

スウェーデンで髪を切ってきました。
たずねたのはスウェーデンの郊外の駅から車で30分ほど行った所にある美容室です。
ただここは変わっていて、髪を切るだけではなく、マッサージやヒーリングも行なう「髪の治療室」であるのです。

shasutain
施術をして下さったシャスティンさんは60歳のスウェーデン女性。
やさしい笑顔で迎えて下さいました。
シャスティンさんは元々、普通の美容院を経営していたのですが、娘さんがアレルギーになったことをきっかけにして合成シャンプーや毛染め液を使わない自然派の美容を研究し、今の形に至ったとのことでした。

施術の流れは時間や効率とは全く無縁な、のんびりしたものでした。
昼前に到着するとシャスティンさんが作ってくれた軽食でお昼を一緒に食べます。
庭先で取れた野菜を使った素朴な料理です。
薄味のスコーン、野菜のチップ、パンプキンスープなどが並びました。
DSCN1333
それらを食べて、のんびり1時間ほど談笑してから「治療」に入ります。

施術ではシャスティンさんはまず、髪のマッサージをします。
髪を触りながら「ベジタリアンに近い食事ね」「ケミカルなシャンプーは使ってないのね」など話しかけてきます。
確かに私は少食で肉は少ししか食べないし、髪は石鹸シャンプーかそれすら使わない湯シャンです。
彼女は髪を触るだけでそうしたことがわかるようでした。
そして次に、エネルギーカットと呼んでいるカットをします。
これは髪の気を読みながらトランス状態に近い意識でカットしていくというもので、この段階に入るとシャスティンさんは喋らずに黙々とカットしていました。
そしてその後に、髪と全身のバランスを整えていくということで、髪のカットが終わってから、足と腕のマッサージもしてくれました。
途中で気持ちよさに意識が何度も遠のき、気づいてみると3時間ほどがあっと言う間に過ぎ去っていました。
DSCN1309

あまり髪型のリクエストは言わなかったのですが、鏡を見ると希望通りの髪型で、またカラダがすっきりとしていました。
そしてまたハーブティーでお茶をして帰るときには4時過ぎていました。
DSCN1294

このような感じで、北欧の地で贅沢な時間を過ごしてきました。
異国の地で髪を切るのは初めてでしたが、とても不思議な経験でした。
スウェーデンも中々奥が深そうな国です。