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病院×鍼灸

時々、「病院の中にハリがあれば通いやすいのですが」という話を聞くことがあります。
病院と鍼灸というと突拍子もない感がありますが、国内にそうした試みが取っている所があります。
取っ掛かりになるのが漢方で、鍼灸とは元々は1つだったことから「東洋医学科」と標榜して、病院内で漢方と鍼灸が同時に受けられるのが特徴です。
そうした試みを行なっている病院を紹介します。
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鍼灸整骨院

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知人の鍼灸整骨院を見学してきました。
知人は鍼灸学校を出た後、更に柔道整復師の学校にも通学して資格を取り、現在は柔道整復をメインにして時々鍼灸という治療を行なっているとのことでした。
商店街の真ん中にあり、立派な受付とカーテン付きのベッドが8つ、そして機械がいくつかあり、かなり大きなスペースです。
スタッフは知人である院長、助手の柔道整復学生、受付の3名でした。

診療パターンは次のように定型化されていました。
患者さんはまずローラーというベッドで20分くらい横になります。
これは背中の下で粒が動いてマッサージのような効果を持つ機械が付いている気持ちのいいものです。
次にカーテンで仕切られたベッドに移動し、素肌の上に吸盤をつけて電気を20分ほど流します。
筋肉は神経からの電気信号で動くので、外からの電気刺激にも同様に反応します。
これを利用して筋肉をほぐすということのようでした。
終了するとタイマーが鳴るので、助手が吸盤をとり、簡単なマッサージとストレッチを10分ほどします。
そして最後に先生が問診とチェックを行なうという流れで、患者さんの平均滞在時間は大体1時間くらいでした。
柔道整復は保険診療が使いやすいこともあって保険中心となっていて、一人当たりで治療費が1500円くらい、うち500円が患者さん負担、残り1000円が国から支給されるということのようです。
これだけだと厳しいので、資格者である院長の関与する時間を少なくして、機械や助手を介在した流れを作っているようでした。
この結果、1時間で最大10名を同時に回すこともできるそうです。

柔道整復は元々古武道である柔術の裏技として発達してきました。
そして捻挫、骨折など、今なら手術を介した観血的治療でしか治療できないものを徒手で整復するという世界でも類を見ないような高度な技法を発達させてきました。
しかし現在は、整形外科の急増により、こうした技術を磨く機会が減少して残念とのことでした。

うちとはかなり異なる治療形態でしたが、考えさせられることが多く、参考になりました。

日本鍼灸を実践する本格派

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知り合いのS先生の所に遊びに行ってきました。
S先生は資格取得後、病院の漢方外来に勤務して臨床を学び、開業に至りました。
治療院は大きな駅から徒歩圏内にあり、周囲は閑静な住宅街に位置し、環境的には申し分ありません。
おシャレなマンションの1Fの店舗スペースで、内装は知人の工務店に頼んで清潔感のある白で統一したそうです。
完全個室が2つあり、それぞれに電動ベッドが設置されています。
またこじんまりとした待合室も完備していて、「こんな治療院にしたい」というイメージを体現したような立派なものでした。
澤口さん2

S先生の治療スタイルは、経絡治療という方法をベースにしていて、脈や漢方腹診で内蔵のどの部分我弱っているのかを判断し、手足の末端にあるツボにやわらかな、やさしいハリを刺すというものです。
これ以外にも独自に研究している「柳谷一本鍼」というものや、勤務していた病院で習った背中のツボに連続して刺していく方法、また腰を特殊セラミック温熱機を使って温めるなど、複数の方法を組み合わせて行っていました。

治療費は1人40分くらいの時間で5000円、開業費用として備品類、賃貸家賃、内装費用などを含めて初期投資が300万くらいかかったとのことで、しばらくは資金繰りで頭が痛いと話していました。
私とは治療スタイルが違いますが、都会の真ん中で奮闘する姿を見て自分も頑張らないといけないなあと気持ちを新たにしました。

中国のハリ

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縁があって、中国式の鍼を受けてきました。
うちはハリを刺さないのですが、普通は刺します。
中国式というと、太目のハリをちゃんと刺す、いわゆるハリ治療らしいスタイルが特徴でした。

鍼灸師の先生は北京にある医学校を卒業して中医師の資格を持ち、さらに日本でも鍼灸師の資格を取った方です。
私は元々刺激に敏感で、学生時代は教員や同級生の強い刺激の鍼で体調を壊すこともたびたびありました。
なので強い刺激の代表格である中国のハリを受けることはかなり抵抗があったのですが、滅多にない機会だったので清水の舞台から飛び降りるような気持ちで受けてみようと思いました。

診察は仰向けに寝て、まず脈診から始まります。
目を閉じて両手の脈を見ながら次々とわかることを言いました。
「首、に腰・・・腰は特に悪いですね、それに胃もあまり動いてないです」
続いて舌を見て胃の弱さを再確認し、お腹に触れながらストレスに反応するみぞおちの辺り、気に関係するという胸のあたり、生命力を示すと言うヘソ下あたりを触診していきました。

続いてうつ伏せになり背中の診察に入ります。
頭から足先を眺めて体の歪みを見ていきました。
そして皮膚のうち色の抜けた所、筋肉の盛り上がった所、背骨の歪み、背骨の打診音などで体の状態を見ていきました。
そして膝を曲げて股関節を外と内に動かして骨盤のバランスなども確認しました。
こうした一連の作業は治療後の筋の緩みによって調整されるようで、治療効果の目安になるようでした。

こうした診察を経て治療に入りました。
さっそく待ち針を少し細くしたようなハリ(寸3の一番)でポンポンと刺して行きました。
これらは先ほどの診察で予め目星をつけた辺りを触診しながら、筋と筋の隙間にあるという体の穴「体が刺激を望み、刺しても痛みを感じさせないポイント=ツボ」を探し出しているとのことでした。
指した場所は頭と首の境目、背中、腰の下あたりなどでした。
痛みはあまりなく、何かが皮膚を突っついてくるような感じがあるだけでした。
そして「鍼によって刺激された気をうまく外に流すため」と言って、最期に頭のてっぺんと、手足にあるツボ(合谷と太渓)に鍼を刺しました。

刺したまま15分たつとハリを抜き、再び仰向けになりました。
そして首の太い筋を中心に8本くらいを刺し、胃腸などの全体調整ということで臍周りに4本刺しました。
同様に15分置いてから針を抜きました。

治療後に体調を振り返ってみると、まず周囲が明るくなって目の疲れが取れている、そして体が軽くなくなっていました。
そしてその日は早くに眠くなったので早めに床につき、翌朝の寝覚めも良く、体調の良さが実感できました。

私とは方法が違いますが、中国のハリもすごいなと思いました。
学校入学後に初めてこの治療法に接していたなら、この道で来ていたのかもしれませんが、私の場合は縁があって全く違う道を選びました。
それでもどの治療スタイルを選んでも極めればきっと同じ所にたどり着くのでしょう。
いい刺激を受けて、気持ちを新たにできた気がします。

鍼灸師のかけこみ寺

hujimura manshon
同門の先生の治療室を訪ねてきました。
特に体調を崩したわけでもなかったのですが、帰国時にここの空港を経由することになったので、旅の疲れを癒し、ついでに治療技術をレクチャーしてもらおうと思いたったからです。 続きを読む

となりの薬膳料理

本業の合間に薬膳料理を研究することになり、その一端として近隣の薬膳料理の宿に行って来ました。
最近、健康志向が高まっていることもあって、都市部では薬膳料理を提供するお店が人気を得ています。
私の町でも新鮮で美味しい食材が色々と取れるので、地元のレストランでそうした料理が作れないか、ということで企画が始まりました。

まずは先行事例として近隣を調べてみたのですが、驚いたことにほとんどありませんでした。
2年ほど前の記事で「導入を検討している」市町村はあるようでしたが、その後話は進んでいないようです。
うまく行けば一番手に躍り出ることができるかもしれない、という皮算用も働きます。
そんな中、ようやく一軒のみ見つけることができました。
車で片道6時間近くもかかる、途方もない距離の所でしたが、ここに宿泊して薬膳料理を食べてきました。

宿は部屋数30程の中規模ホテルで、地元の自治体が半官で経営しているようです。
動物園や遊園地に囲まれた敷地内の一角にあり、近隣にはサイクリングコースやゴルフ場なども整備されていて、充実した施設を備えているようでした。
しかし立地はかなり山奥にあり、交通は事実上マイカーのみと集客に不安があり、規模の大きさと採算性のバランスについては疑問に感じました。

今回食べた料理のメニューは次のようなものです。
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デザートの「アスパラプリンの生クリームときな粉かけ」と食後のオレンジのハーブティです。
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このメニューから薬膳的な要素を拾ってみました。

薬膳
・紅花:滞った血液の流れをよくする。
・紫蘇:気の通りを良くして胃腸の調子を整える。
・黒酢:血行をよくして血圧上昇を抑える。
・棗(ナツメ):気力を補い、胃腸の働きを良くする。
・ホタテ:ミネラルが豊富でアンチエイジングの効果を持つ。
・ニンニク:血行を良くするほか、免疫力強化、鎮痛の効能もある。
・味噌:余分な水分を排出するのでむくみに効果がある。
・春菊:気のめぐりを良くして不眠を解消してくれる。

どれもありふれた食材で、当初イメージした漢方食材のようなものはほとんど使われていませんでした。
ちなみに料金は3000円で、それぞれの料理にシェフの工夫が感じられるような美味しいものでした。
その一方で「薬膳」というほどのインパクトは少なく、予め聞いていなければ今回の食事が「薬膳料理」ということに気づかないかもしれないと思いました。

結論としては「地元で取れた旬のものを使う」「食材の効能などの薀蓄を伝える」「レストランが大切にしているコンセプトを物語の形でまとめる」などが重要だと感じました。
私は料理に関しては素人ですが、食材の効能としての中国医学の用語などについては鍼灸の治療理論と共通するので効能書きの説明についてはアドバイスできそうです。
これらを1つ1つクリアしていけば、地元レストランでも薬膳料理の提供が可能だと思いました。

漢方と整体を極めたクリニック

以前から興味を持っていた東洋医学クリニックを訪ねてきました。

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院長先生は元々循環器内科を専門としていたのですが、奇縁から東洋医学を研究するようになり、漢方、整体、鍼灸などを駆使して治療にあたって内科疾患、痛みなどの整形疾患から癌や難病まで幅広く対応しています。
漢方は名医とうたわれた日本漢方の達人や本場中医学の老中医から秘伝の処方を引き継ぎ、整体や鍼灸は自ら全国の名人を訪ね歩いて身につけたということで興味津々で訪ねました。

クリニックは閑静な住宅街にありました。
治療はまず問診から始まりますが、予め記入する問診用紙は主訴と既往歴を記入する程度の簡単なもので、一般的な漢方で聞かれる膨大な問診用紙を想像していた私には拍子抜けでした。
診察では初めにまっすぐに立つように指示されて姿勢をチェックし、歪みやバランスを見ているようでした。

一通り体全体のバランスを確認すると実際の治療に入ります。
始めにうつ伏せからで、片方の胸の下に薄い枕を入れて背骨周りの筋肉の緊張を取る治療が行われました。
背骨の横や、首の付け根、肩、腰などを指のようなもので圧迫してくるのですが、思ったより痛くて、てっきり指圧をされているのかと思っていたのですが、実際には木の棒が使われていました。
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この棒は中心に親指程度の突起が付いていて治療者の体重を効率的に乗せられるので、指を痛めずに筋肉を緩めることができるようでした。
背中が緩んでくると次は臀部に移ります。
私の曲げた膝を抱えて、片方の手で仙骨を押さえたまま膝を小刻みに動かすというもので、この時点で体は風呂上りのようにポカポカと温かくなっていました。

次は横向きに寝るように指示されて、掌を使って横腹付近と臀部を押して、股関節を前後に挟んで矯正しているようでした。

その後は仰向けに寝て首の調整が行なわれました。
私の首の下に手を入れて揉んだり、首をつまむようにしたり、左右に回したりしました。

最後に座位になって先生が私の背中に膝を当てて後ろに体を預けるような形で背筋を伸ばすと治療終了になりました。
体はポカポカと温かく、背中にあった重苦しさが消え、しかも問診時に話していなかった左手首の痛みも直接触れていないのに薄くなっていました。

全ての治療が終了すると先生は私の顔色を見ながら状態を確認しました。
私が「治療がよく効いていること」や「手首の痛みが薄くなっていること」を伝えると先生が私の舌の裏と胸下に圧痛があることを確認して「血の滞りがある」と話しました。
そして手の平が埋まるくらいの大量の漢方丸薬を持ってきて、これを飲んでしばらく待つように言われました。
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これまでの人生で飲んだ最大量の薬で、5回に分けてやっと飲み干しました。
そして15分が経過してあらためて確認すると、胸と腰の圧迫感、左手首の痛みは完全に消えていました。
この漢方薬の即効性には驚かされました。
先生によれば漢方は本来即効性があり、15分を過ぎても効かないのは処方が合ってないか量が少ないかのどちらかだ、とのことでした。
そして治療後は胸の辺りの重苦しさは消えて爽快感に包まれていました。

このクリニックが整体で目指しているのは「背骨を支える筋をほぐすこと」のようでした。
背骨からは多くの神経が内臓や手足に向かって出ているので、この筋が硬くなると内臓なら自律神経の障害、手足ならシビレなどの症状が出てくると考えられます。
そこで筋をほぐすのですが、背骨の筋肉は硬いので指の力だけだと大変なので、木の棒を使った道具を開発したのでしょう。
一般の鍼灸治療でも背骨周りには愈穴と呼ばれるツボが分布して重要されているので、先生は実践の中でこのことを再発見したと言えるのかもしれません。

そしてもう一つの核となる治療は漢方治療です。
日本と中国の大家から直接伝授され、実践によって磨かれたその処方は的確で驚くほどの即効性を持っていました。
その対象となる疾患は風邪などの内科疾患から腰痛などの整形疾患、そして皮膚疾患、癌などの難病まで幅広く及んでいて驚かされました。
院長は気さくな人柄で、漢方や失われつつある優れた民間療法を治療に取り入れようと情熱を傾けていることを熱っぽく語られていました。

色々な治療法と名人の技を体験し、自分も頑張らなければいけないなあと気持ちを新たにしました。

愛知のレディース鍼灸院

鍼灸学校の友人が開業したというので遊びに行ってきました。

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住宅街にある自宅横にあった旧事務所を利用しているということです。
十分なスペースに待合室、受付カウンター、ベッド2台がコンパクトにまとまっていました。
こじんまりとしていましたが必要十分な感じで、居心地が良かったです。

数年間地元の鍼灸院に勤めて独立し、「治療」の鍼灸だけでなく顔面にハリを刺す美容鍼灸、そしてストレッチを中心としたタイマッサージもできるとのこと。
そのせいか患者さんは女性が中心で、美容鍼灸が一番人気だというのもうなずけます。
美容鍼灸は体の調子を整えながら、顔面部分の血流の流れを良くしてたるみなどを解消してくれるということで、人気がある分野です。
施術直後の変化を見せてくれましたが、確かに肌にハリが出ていて、頬は湯上りのように血色がよくなってキレイを感じさせるものでした。

同級生が頑張っている姿を見るとこちらも何となく元気をもらいます。
お近くに行く機会があればちょっと立ち寄り下さい。
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