おたから」カテゴリーアーカイブ

鍼灸の神さま

old Chinise gods鍼灸の源流とも言える、古代中国の創設に関わった、偉大な神々の肖像画です。
5名の神々はそれぞれ、伏儀・神農・黄帝・尭・舜です。
彼らは国造りと同時に中国医学の創設にもかかわりました。 続きを読む

チベットの幸運のタペストリー

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ネパールにある、チベット人が自治を行なっている村で手に入れたタペストリーです。

厚手の手織りコットン布に、チベット仏教の宝物の中でも特に吉祥の象徴とされたものが描かれています。
仏教世界を反映する意味が込められた宝は次の8つがあります。解脱を告げる「法螺」、仏の教えを広める「法輪」、魔から守護する「宝傘」、無明を救う「白い蓋」、泥の中で咲く大輪「蓮華」、甘露で満たされた「宝瓶」、世俗の海を自在に泳ぐ「金魚」、調和と慈悲の象徴「吉祥紐」の8つで「八吉祥(タシ・タギェ)」と呼ばれて大切な信仰の象徴とされていました。
これはベージュを背景に、赤、青で鮮やかに彩られた色調はポップでシンプルな治療室の彩りとなってくれています。

チベットでは寺院の入り口の垂れ幕や、民家のドアや窓のカーテンにこの吉祥文が使用されていて魔除けや縁起の良いお守りなどとして使われています。
サイズは約55x75cmくらいと意外に大きく、チベットの木を軸として壁掛け用のヒモがつけられています。
治療室ではベッド前の正面に置かれていることが多いですので、機会があればご覧になって下さい。

龍のタブレット

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5年ほど前にネパールに行ったときに手にいれた石版です。
同国には亡命チベット人たちが集まって暮らす村があり、民族的な雰囲気を宿した品を手に入れることができます。

チベットでは古くから経文を石に刻んだマニ石というものを作るという習慣があり、その細かな石細工の技術は連綿と現在まで伝わっています。
これはその技術を生かして作られた石版で、吉祥の印とされる龍を中心にし、周囲を日本でもおなじみの干支12獣が描かれています。
龍は中国では皇帝の象徴である他、チベット文化を共有する地域でも大切にされていて、ブータンでは漢字名が雲龍国と称されています。

店主は中々の商売上手で、厳しい値引き交渉の末に手に入れました。

チベットの儀礼布

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チベット文化圏で「カタ」と呼ばれる儀礼布です。
これは儀式や歓迎などで、相手に敬意と感謝の意を表して贈られます。
表面にはチベット仏教の宝具の、法螺・法輪・宝傘・白い蓋・蓮華・宝瓶・金魚・吉祥紐の「八宝(タシ・タギェ)」と呼ばれる吉祥紋が描かれています。
儀式の席では仏像や仏画にかけたりしていますが、一般では玄関に魔除けとして飾ったり、女性ならスカーフ代わりに巻いたりして使うようです。

ボランティアの治療活動をしていた時にお礼としていただいたので、これを見ると彼の国で過ごした懐かしい日々が思い出されます。

往年の京都を偲ばせる浮世絵

京師 歌川広重
江戸期の有名な版画家「歌川広重(1977~1858)」の東海道五十三次シリーズの中の「京師(けいし:京都のこと)」です。
描かれているのは賀茂川にかかる「三条大橋」で現在も京都の交通の要所として人々の往来を助け、遠くには東山も描かれています。
浮世絵は江戸時代に大量印刷を行なうために工夫された技法で、絵師が描いた絵に従って、多色刷りとなる1色ごとの絵柄を彫師が彫り上げ、順番に色付けして刷師が刷り上げるという複数の職人のチーム作業によって丁寧に作り上げたものです。

最近、治療室は「和」をテーマにしているので、日本の伝統的な作品を飾っています。
機会があればぜひご覧下さい。

大正浪漫を伝える美人画

夢二
大正時代に活躍した竹久夢二(たけひさ ゆめじ、明治17年(1884年)9月16日 – 昭和9年(1934年)9月1日)のリトグラフ(版画)です。
これは「女十題」という10枚の美人画の1つで「舞姫」というものです。
10のテーマで美人を描いたという企画もので、青い着物を着て少し憂いを帯びた後姿を描いたこの絵がとても気に入っています。

治療室の入り口に掛けてありますので、帰る折にでもご覧下さい。

チベットに広がる仏教世界

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5年ほど前にネパールのパタン市で手に入れた仏教画です。
ネパールには亡命チベット人が暮らしていて、彼らの文化が根付いています。
お釈迦さまが作り上げた仏教はインドからチベットの高原地帯に伝わった時に、密教という独特な世界観を作り上げました。

この絵はその中で最も重要とされるマンダラを描いた肉筆画です。
マンダラは、チベットの高僧が瞑想の中で感じた世界観を図にしたものとされ、ネパールではタンカとも呼ばれています。
実際にチベット僧は瞑想する時にはこのマンダラを通して宇宙の真実に至るとされていて、一般民衆も信仰の対象としてとても大切にしてきました。

絵柄は伝統に従って正確に描かれています。
真ん中に主尊の仏を置き、周囲には関連する仏、それらを包む楼閣という正方形に、吉祥紋、円形の火炎輪、法輪などが続きます。
手作業でアフガニスタンのラピスラズリなどの岩絵具を使い、髪の毛のような細い筆のみで定規やコンパスなどを使わずに1つ1つ描かれ、完成まで数ヶ月もかかります。
こうしたタンカの多くは原色系でカラフルな仏さまが描かれているのですが、これは紫と金を中心とした気品が感じられ、一目惚れしたものです。

ネパールはその後経済を順調に伸ばして、今は随分と物価も高騰していると聞いています。
この時お世話になったたくさんの人たちと再会したいのですが、その思いは中々叶いそうにありません。

バリ島の魔法の布

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治療室は個人的に興味のある品を飾っていて、多くは旅行に行った折に持ち帰ってきた思い入れのあるものばかりです。

これはバリ島の奥地にある「トゥガナン村」というバリ先住民が伝統的に作っているタペストリーです。
気が遠くなるほど大昔から大変な手間と時間をかけて作られていて、インドネシアの祭祀などで使われています。
この布は「グリンシン(Gringsing)」という名で呼ばれていて、「病気(gring)なし(sing)」の意味を持ち、無病息災と幸運をもたらす魔除けの布だと信じられています。

グリンシンは幾つかの紋様を織り上げるため、予め天然染料で数ヶ月かけて染めを行ない、最終的に少女が織り手となって織り上げていきます。
大変な根気と時間を必要とする難しい作業で、織り上げるまでには小さいものでも数ヶ月、大きいものだと数年もかかります。
この予め染めた縦糸と横糸で併せて織り上げる「ダブルイカット」という織り方は世界でも稀な技法で、現在は一部の地域でしか伝承されていません。

織り込まれるパターンは「太陽」や「バリ島に自生する花や植物」、「ヒンズー教の神の武具」など決まっていて、所有者の生まれ月によって決まっています。
それぞれの文様には哲学的な意味があり、生きる指針をも示しています。
写真のものは神さまの武器「チャクラ」というモチーフです。

グリンシンはこうした「いわく」のある布で、長い伝統で紡がれた生きた布です。
バリ島の夕日のような赤い模様を見ていると、随分昔にクタから片道4時間も車で揺られながら訪ねた「トゥガナン村」の夕日が懐かしく思い出されます。