ギックリ腰で動けなくなった 2

80代の女性です。
数日前に数年ぶりの畑仕事をやって、翌日の朝から腰痛で動けなくなったとのことでした。
数日我慢しても痛みが改善しないということで、往診しました。

ずっと寝たきりのせいか、顔色は今一つのようでした。
痛みは腰を中心に骨盤や臀部など広く及んでいました。
シビレや排便障害といった神経症状はなく、触診では下位腰椎周辺の脊柱起立筋、股関節周辺の臀筋などがカチカチに緊張していました。
動作時の痛みがあって、起きたり、立ち上がったり、歩いたりするのが難しいということで、トイレなどは這うようにして行ってるとのこと。
これらの症状から、「筋・筋膜性の腰痛症」だと判断しました。
つまり久しぶりの農作業で使っていない筋肉が筋肉痛になり、高齢で回復力が衰えているので長引いている、という状態のようでした。

治療は座った状態のまま、ハリで腰の緊張を取りました。
すると何とか立ち上がれるようになりましたが、まだ痛みがあってこわごわ動いていました。
今度は横向きに寝た状態で腰と股関節、足のハリをとると、スムーズに立ち上がり、歩けるようになりました。
立ち上がるとき、歩くときは、これまでの痛みの印象が強過ぎて、痛みが取れても動き出すことに恐怖を感じてしまいます。
なので最初は急がず、こちらも手伝いながら、立ち、歩きを繰り返してもらうと、ようやく痛みが取れていることを実感して喜んでくださいました。

痛みの芯はまだ残っているものの日常動作が可能になったので、家事などをできる範囲で続ければ改善していくとお話しして治療を終えました。
痛みは取れても筋肉の損傷は残っていて、これから少しずつ治るのでしばらく無理しないようにとお伝えしました。

ギックリ腰は、傷んだ筋肉が1つだけだとハリ一本で魔法のように治りますが、実際は複数の筋肉が原因となっているのが大半です。
それらを触診で1つ1つ確認しながら緊張を緩めていくので、どうしても時間はかかってしまいます。
今回はハリがお役に立てて良かったです。