制度の狭間で足掻く名医たち

世界には名医と呼ばれる人々がいます。
しかし伝統医学の世界では、制度の狭間で苦悩する人々がいるようです。

資格を持たない103歳の韓方医
韓国の「張炳斗(チャン・ビョントゥ)」は、103歳の韓方医です。
韓国では漢方・鍼灸は伝統医学として、6年制大学を卒業して医師資格を得たものだけが行えます。
張氏は資格を持たないので、常に「無免許医師」と批判され続けてきました。
2006年に医師免許なく医療行為をしたとして訴えられ、同年12月に一審で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決。
07年、二審も一審と同じ量刑、現在、大法院(最高裁判所)で係争中で、現在は治療ができない状態です。
しかし張氏の治療で癌や難治の精神病が好転したという患者たちは診療を続けてほしいと訴えています。
http://doctoralcarrasco.blogspot.com/2010/06/blog-post_2044.html

医制の変更で治療できなくなった医官の末裔
中国も韓国と同様に伝統医学は6年制大学を卒業後に資格を取得することになっています。
しかし中国では伝統的に徒弟制で伝承された医師らが、技術を伝えていました。
99年に医師法が制定されると、こうした伝統的中医師は診療ができなくなってしまいました。
山西省運城市で診療所を開いている張澤民(チャン・ズーミン)氏もその一人で、一度も学校で医学教育を受けたことがない伝統的な中医師です。
張家は明朝吏部の医官を務めたこともある家柄で、婦人科を専門としており、張澤民で19代目。張は12歳で伝統的な中医学の書物を暗記し、15歳から父親について診療をはじめ、すべて口伝で教えられたとのことでした。
しかし、患者たちの訴えを受けて2017年7月に徒弟制で中医学を学んだ者でも、2人以上の中医師の推薦があれば、試験を経て診療が許されることになりました。

伝説の漢方医たち、じつは本場中国でこそ苦汁をなめてきた!?

日本も様々な徒手療法が実践されています。
玉石混交ながらアメリカの大学を卒業して磨いた本場のカイロプラクティック、神業的な技量を伝える整体術などは、制度の狭間にある技術です。
こうした問題は東西医学の統合という難しい命題を突きつけていると感じます。