病気にならない暮らし事典:自然派医師が実践する養生法

養生法について調べていて手にとった本です。

著者の本間真二郎氏は栃木県で開業する小児科医です。
本書は自然に近い医療を実践する著者の養生法を、一般向けにまとめたものです。

本間氏は69年に札幌市で生まれ、札幌医大を卒業すると小児科医としてキャリアを積みました。
臨床医として道内の病院で腕を磨き、研究も米国の国立研究所でウイルスとワクチン分野で実績をあげました。
帰国後は新生児集中治療室の室長に就任するなど、絶頂期を迎えます。
しかし911のテロ、漫然と標準治療をしても治らない現実を直視して、人生の再考を迫られることとなりました。
その結果、大学病院でのキャリアを捨てて栃木県に移住し、自宅と一体となった小さなクリニックを開院しました。
日々の診療をこなし、自宅前の農園で畑を耕し、食や生活を自ら実践しながら掴んだ成果をまとめ上げたものが本書です。

本書は著者が長年の臨床と研究の中で熟成させた養生法が記されていました。
総論、食、生活、環境、医療の5つの章に分けて、「健康に暮らしていくことの本質」について考察されていました。
周囲の環境との調和、安直な症状緩和でなく長期的な視野で眺めることなどが重視されていました。
そして最終的に目指す地平が「終わりに」で記されていました。

「自分のためだけでなく、あらゆる人や生物、ものを思いやる暮らし方
誰もが希望に満ち溢れた未来」

本書はこのように健康な生活を送る上で大切なことが広く網羅されていました。
食生活や運動など日々の養生から病院との関わり方、心の持ち方、量子力学から導いた宇宙的な視野など深みのある考察がなされていました。
中にはメリットとデメリットが曖昧で、結論が簡単に出ない事柄も含まれています。
しかし著者は諦めずに自分で調べ、考えることを推奨していました。

「患者さんやその家族こそが、病気に向き合い、勉強し、自分で決断を下すことが必要になるのです。」

専門分野にも踏み込んでいましたが、噛んで含めるようなわかりやすい解説が添えられているので、一気に読み進めることができます。
健康や養生についてオールインワンで学べる好著だと思います。