明日からできる診断推論:問診から診断する

編集・著者代表は医師の野口善令氏です。
本書は症例を元に診断推論が学べるテキストです。

医師向けの総合診療のテキスト
同書は「週刊日本医事新報」で好評だった連載記事を単行本化したものです。
総合診療や救急のエキスパートたちが共同で次のような20の症候を解説していました。
胸痛、頭痛、発熱、腹痛、単関節痛、多関節痛、目眩、ショック、
失神、痺れ、痙攣、麻痺・筋力低下、呼吸困難、動悸、下痢、発疹、
不眠、意識障害、リンパ節腫脹、口渇

内容はまず「理論編」で、基本となる思考の流れを提示します。
症状から出発してアプローチすべき優先順位が、発症様式、随伴症状、年齢、リスクファクターなどの順に示されます。
そして予想される疾患の特徴、検査、見落としてはいけない危険な疾患がリストアップされます。
これを踏まえて「症例編」で、診断を予想していきます。
初めに年齢、性別、主訴などのヒントが示され、予想される疾患リストが挙げられます。
疾患を絞り込むために問診や検査、それらの結果から消える疾患、増える疾患とその理由が示されていました。

診断に至る思考のエッセンス
本書はこのように総合診療で必要とされる思考の流れがわかりやすく説明されていました。
白眉なのが、著者たちの思考のコツや本質部分に迫りたいという意図を感じさせる点です。
熟練者の診断推論に至るアルゴリズムや専門医による診断のヒントなどにも触れられていて、読み応えがありました。
シンプルな作りですが、読み手の理解が進むように丁寧に編集されている好著だと思います。