血液検査

今日は血液検査のデータで注目している点について書いてみます。

 血液は全身を循環するので、輸送に関連した「代謝、排泄、免疫」の状況を端的に示しています。
健康診断でも見かける次のような検査データは参考になります。

* 血中酸素飽和度(Hb)
通常10g/dl以上:貧血
酸素と結びついたヘモグロビンの血中割合です。低い場合は貧血の疑いがあります。

* ヘマト・クリット値
通常30−50%:貧血
血液を遠心分離した血漿中の「赤血球の割合(=濃さ)」を示します。低いと貧血です。

* 赤血球沈降速度(赤沈)
通常10−15mm:免疫(炎症)
赤血球が試薬内で沈む速さを見る検査です。
なぜそんなものを調べるかというと赤血球表面はマイナス電荷ですが、炎症時に生じるグロブリン蛋白はプラスに荷電しているので、これらが結び付くと凝集して沈みやすくなるためです。
このことから炎症マーカーの1つとして活用されています。

* 白血球数(White Blood Cell)
通常4000−8000個/ul:免疫
白血球は免疫系の一部なので、高い時は外傷や感染症、低い時は骨髄機能の低下や敗血症ショックを示します。

* 血清ナトリウム(=Na)濃度
通常135−145mEq/l:血中水分量
Naは水分と共に移動するので、血中の水分量を示します。
体内に水分が足りてないと上昇し、糖尿病や尿崩症で尿排泄が増えると下降します。

* 血清フェリチン(=Fe)
通常100ng/ml以上:貧血
血中の鉄貯蔵量です。
鉄欠乏性貧血の指標(特に45ng/ml以下)とされています。

* 肝細胞内酵素(AST,ALT)
通常5-40IU/l:肝機能
肝臓細胞が死ぬ時に放出するアミノ酸代謝酵素です。
略語のASTはASpartate aminoTransferase、ALTはALanineamino Transferaseで、かつてはそれぞれGOT、GPTと呼ばれていました。
肝臓の異常を示す指標ですが、この酵素は心臓にも多いので心筋梗塞なども疑われます。

* γ(ガンマ)−GTP
通常:50IU/l以下:肝機能(肝炎・脂肪肝・胆石)
ガンマGTPは臓器に広く存在するタンパク質分解酵素ですが、肝臓に多いため肝異常を示すマーカーとして使われています。
これが高いと、胆道閉塞や飲酒で肝細胞が破壊されて血中に漏れ出したと考えらます。

* 総ビリルビン(TB)
0.2-1.2mg/dl:肝機能(肝炎・胆石・胆嚢癌)
ビリルビンは肝臓で処理される赤血球の残骸です。毒性があるので、即座に肝臓で処理されています。
そのためこの値が高かったなら肝機能が低下したと考えられ、肝臓マーカーとして使われます。
他に黄疸があればその可能性が一層高まります。

* 血清アルブミン
通常4.2前後:肝・腎機能
肝臓で合成される血中タンパク質です。
低値だと作り手の肝臓の機能低下、高いと排出先の腎機能の低下が疑われます。

* 血清尿素窒素(BUN)
通常:8-20mg/dl:肝機能、腎機能
タンパク質の分解物である尿素の血清中の量(=Blood Urea Nitrogen)を示します。
肝臓で作られ、腎臓で再吸収されて一部が尿中から排出されています。
この値も血清アルブミンと同様に、低値だと作り手の肝臓の機能低下、高いと排出先の腎機能の低下が疑われます。

* 血清クレアチニン(CRE)
通常0.5-1.0mg/dl:腎機能
クレアチニンは筋肉で使われたタンパクの老廃物で、本来は腎臓で排出されている尿毒素です。
この値が高いと排泄されていないことを示すので、腎機能低下のマーカーとなります。

* C反応性タンパク(CRP)
通常0.6mg/dl以下:免疫(感染症)
CRPはC-Reactive Protainの略語で、肝臓で合成されるタンパク質です。
肺炎双球菌などが持つC多糖体に反応するタンパク質なので、この値が高いと膠原病や感染症、悪性腫瘍の疑いがあります。

* 抗核抗体
自身の細胞核を抗原として認識する抗体量を示したものです。
自分自身を攻撃する抗体が存在していることなので、これが大量にあるならリウマチなどの膠原病の可能性を示します。

* 肝炎ウイルス(HBV・HCV)抗体
肝機能
肝炎ウイルス感染時に現れる抗体の有無を調べるもの。

* 癌マーカー
癌で臓器が破壊されて血中に流れ込んだ物質で、癌の指標にされています
。CEA(胃腸・肺・乳癌)、AFP(肝癌)、PSA(前立腺癌)などがあります。