問診

問診は視診で目星をつけた内容を確認し、触診に繋げる為に問診で絞り込みます。
バイタルサインを中心に「平時との差」を見極めています。

レッドフラッグ(=緊急性の高い重篤疾患)
緊急性の高さを判断するには、症状が悪化するスピードがヒントになります。
今までに経験のない強い症状が秒単位で突然生じた場合は心臓系、数日かけて進行したなら感染性、治療しても徐々に悪化傾向にあるなら悪性腫瘍などが考えられます。

脈拍
脈拍はだいたい60−90前後で推移します。
15秒の脈拍を4倍にして90回/分を越えるなら、全身性の感染症、甲状腺の異常、脳梗塞などを考えます。
この時、心筋リズムが不揃いとなる「不整脈」にも注意します。

体温
発熱は感染症、悪性腫瘍、膠原病、薬害で起こり、体が「戦闘状態になっていること」を示します。
数日単位でゆっくり悪化して悪寒も伴うなら「感染症」、基礎疾患のない女性では膀胱炎などを疑います。
高熱が1週間以上続くのは、腸チフスやリウマチ熱、急性肝炎などでみられます。
微熱が繰り返し起こる間歇熱は、肺結核やマラリアなど慢性の炎症疾患の特徴です。問診では海外渡航や登山歴、性行動、子供や動物との接触、薬剤歴も確認します。

呼吸数
呼吸数は通常16ー20回/分あたりで推移します。
25回以上になると感染症、12回以下と少なくなると脳圧亢進などを心配します。

尿
尿は腎臓で濾過される前は血液だったので、体内で起こっていることを教えてくれます。
頻尿は糖尿病による水分摂取の増加、前立腺肥大など。
色は黄色が普通で、茶褐色だと肝臓のビリルビンが混入、膿の混ざった白濁尿や血尿で放尿直後からアンモニア臭があるなら尿路感染による「炎症や出血」。
放尿後も中々消えない泡は不純物が混じっている徴候で、腎臓の濾過機能が低下してタンパク尿や糖尿病による高血糖尿の可能性などを考えます。
痛みのない血尿は膀胱癌や溶血などの重篤な疾患が気になります

便
便も形や色について聞いていきます。
細い便は大腸癌による直腸狭窄、血便は痔や大腸内の出血、黒色便は遠くの胃腸などからの出血を示します。
出血が疑われる時には虚血性の症状・・・例えば起立性低血圧が出ていないかを確認します。
また便の色がない白色便は、胆管が結石で塞がってビリルビンが流れ込んでいない可能性があるため、黄疸などの肝胆の状態が気になります。

痛み
痛みもその性質を知ることで、病態を把握するヒントになります。
痛む場所を「ここ」と指せるなら皮膚に近い筋肉などの体性痛、ここと指せないような局在性が乏しい痛みは内臓痛です。
増悪因子でみると、動作性は筋骨格系、労作性は呼吸・循環系、食事性は消化器・胆道系と予想されます。
また慢性的な痛みで「強い怒りや依存心」があると、治りにくい傾向にあると感じています。

体重の変化
悪性腫瘍・慢性炎症・糖尿病・甲状腺機能の亢進時などは、体重は減少傾向になります。
半年で5kg以上減少した場合は、悪性腫瘍などの可能性を考慮する必要があります。

倦怠感
「病気」と「疲労」を区別する必要があります。
病気の場合は、「抑鬱」、糖尿病・甲状腺機能低下・コルチゾール過剰分泌(クッシング症候群)といった「内分泌疾患」、胃炎・肝炎・膵炎などの「内臓の慢性炎症」、肥満から来た閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、悪性リンパ腫などが考えられます。
疲労の場合は、過食や不動が直接の原因となります。

むくみ
むくみは夕方、足に多く見られますが、慢性化しているなら内臓などに原因があって二次的に生じた疾患かもしれません。
浮腫が瞼にあったり、後述のように両下腿で指で押した跡がしばらく残る場合は「腎機能の低下」が疑われます。