中高年の突然死:心筋梗塞

私が開業する際にお世話になった方がなくなったとの連絡がありました。
60歳前の男性で、とても元気のよかった方です。
就寝中の突然死ということで、おそらく心臓の虚血系発作だと思うのですが、他に脳血管系の可能性もあります。
いずれにせよ、死の兆候のなかった方だったので、改めて死について考えさせられました。

死は生まれた時から隣を歩いてくれているパートナーで、ふとした時に「もういいよ」とやさしく肩を叩いてくれます。
それがいつかは誰にもわかりません。
ただし病気によっては死の兆候を示してくることがあり、なるべくそれを見逃さないように日々鍛錬を続けています。

診察の話を書くつもりだったのですが、今日は心筋梗塞について書いてみます。

・心筋梗塞 (Myocardial Infarction)
冠動脈が狭窄したり、血栓が詰まることで心臓へ流れる血流量が不足して、心筋が壊死する疾患です。
狭心症とあわせて「急性冠症候群 (Acute Coronary Syndrome; ACS)」 と呼ばれます。
この血栓が脳動脈に飛ぶと脳梗塞を二次的に引き起こす危険もあります。
症状は、狭心症と似た胸痛が30分以上~1日と長く続き、ショックや**冷や汗**を伴います。
この時、肩や歯や顎の痛み、左手小指などに放散痛が出る場合もあります。
糖尿病の高齢者などの25%にはこうした症状が出ないので注意が必要です。
急性心筋梗塞の場合、無治療だとその半数が死亡します。

治療は時間との戦いになります。
発作後1時間以内に血栓を溶解できれば心筋に障害は残りませんが、壊死を防ぐリミットは6時間までとされます。
血管が狭窄しているなら、血管内にステントという小さな金属を入れたり、バルーンを膨らませて血流を改善させます。
詰まりがひどい時には、血管を繋ぎ直す冠動脈バイパス手術が行われます。
また血栓の予防でワーファリンを服用しますが、この時には凝固作用に影響するビタミンKを含む食材は禁忌となります。
例えば納豆、ブロッコリー、ほうれん草、クロレラなどは薬を飲んでいる間は食べない方がいいでしょう。