外傷

鍼灸治療は肩コリや腰痛などの慢性疾患に効果があることは、よく知られています。
しかしそれ以外の急性疾患、打撲や打ち身、怪我などにも意外な効果を示します。

受傷して間もない、打ち身、切り傷などの急性症状の方が時々治療に見えられます。

「打ち身の例」
「今朝方、足の甲をテーブルにぶつけた」という50代の患者さんを治療しました。
ぶつけたという足の周囲は少しの腫れと発熱があり、「陽の気」の流れが滞っているように感じられました。
ハリを使ってその流れを通すとみるみる腫れが引いてきて、かすかな痛みとわずかな熱感になっていました。
後日、経過を伺うとそのまま治ってしまったとのことです。

「切り傷の例」
治療終にサイフを取り出そうとした時に誤ってカバンの中の書類で指を切り、血が滲んでいました。
傷口は「乾燥させない湿潤療法」が早く治るので、ガーゼで血を拭き、白色ワセリンを薄く塗りました。
指先にはヒリヒリするような鈍い痛みがあるとのことで、ハリで取ってみることにしました。
急性期特有の「陽の気」の滞りが出ていて、それをそこに触れるだけのハリを当てました。
痛みについて尋ねてみると「痛みがスッと消えた」とのことでした。
1週間後に見えられた時には、かすかな傷跡しかありませんでした。

ハリは自然治癒力を高めるので、このような傷にも一定の効果があります。
実際に東大病院などは術後の鍼灸治療を行なっています。
どのような機序でそのような反応が起こるのかは十分にわかっていませんが、おそらく血流の流れが良くなって免疫機能が促進されたり、創傷の治癒が進むのだろうなと考えています。