アレルギー疾患について

アレルギー治療について書いてみます。

アレルギーが起こる流れ
アレルギーは体内の免疫機構の過剰反応で起こります。
免疫は本来は毒物や細菌などの外敵を駆除する機能がありますが、これが食材や花粉症などの無害なものに対しても攻撃的になってしまうのです。
症状は、赤くなって痒みが出て、体液が滲み出たり、皮膚が黄色くなって剥がれるなど、炎症や排泄といった反応が起こります。
免疫反応が起こるには複雑な経路となっていて、薬はこの経路のどこかに介入します。
製品はたくさんありますが、だいたい抗ヒスタミン、ステロイド、免疫抑制剤の3種に分けられます。

アレルギーが起こる原因
こうした免疫の暴走がなぜ起こるのか、というと、理由ははっきりとしていません。
わかっているのは、増え始めたのは戦後になってからということ、患者の大部分は先進国で途上国や田舎暮らしで家畜と触れ合っている人々の中には患者はほとんどいないということです。
しかし近年、免疫を抑制する免疫細胞が新たに発見され、この疑問を解く鍵になると注目を集めています。
これは制御性T細胞(Tレグ)と呼ばれ、免疫を司るT細胞の1種です。
外敵に対して割と大雑把に反応して暴走しやすい免疫機構を微調整する働きがあり、経験によってこのことを学習します。
つまり無害な細菌類と常に接触があると、Tレグの数が増加し、無闇に外敵に反応することが少なくなります。

もう1つはアレルゲンと接触する場所です。
出会いは、大きく腸管粘膜系と皮膚の2つがあります。
腸管では食物の吸収が行なわれるので、免疫機構は穏やかで寛容的に作用します。
しかし皮膚はその外には細菌やウイルスなどの外敵がうようよいるので、国境兵士のように常に臨戦態勢にあります。
アレルゲンとの最初の出会いが皮膚だった時には、花粉症のように免疫機構は過剰に反応しやすく、継続した接触で「花粉症」のような免疫過剰をもたらします。
しかし最初の出会いが腸管や舌下の粘膜だったならTレグが無害なものだとして寛容的に受け入れます。
このことから、現時点で深刻なアレルギー反応が出ていないにもかかわらず、幼少期に特定の食材を避けていることは、将来的なアレルギー疾患を増悪させる可能性があると考えられます。

以上のことより、アレルギーを根本的に治す試みとしては、家畜などと触れ合う田舎暮らしで加熱殺菌していない生乳を飲む、花粉を腸管粘膜類から摂取する、などが有効だと考えられています。
これは既に一部の研究機関で実験的に行なわれていて、良い結果を出しているようですが、一般的な普及にはまだ時間がかかりそうです。

鍼灸治療として
鍼灸はこのような免疫系の生理反応に直接介入することはありませんが、皮膚から刺激することで神経系がバランスを取る方向で影響を与えていきます。
精神が落ち着き、体が安定していく中で症状が落ち着いていく様子を経験しています。
治療室では、鍼灸を受けながら、同時にお灸やストレッチなどで精神を安定させ、食事に気をつけていただいています。
食事はあまり神経質にならずに、和食を中心にして納豆や漬物などの発酵食品を摂り、甘いものを控えて少食とすることを勧めています。