体と話すように治療する

massage

今日は治療のことについて書いてみます。
私の方法は気の滞っている所を雰囲気や触った感覚で探し出して、そこをハリで刺激してとっていくというスタイルでとてもシンプルです。
そんな中で毎回、というわけではないのですが、時々集中していくと、あたかも患者さんの体と対話しながら治療している、という感覚になることがあります。

たとえばハリをする作業に集中すると、頭がだんだんボンヤリしてきて手が自働的に動くようになります。
左手は皮膚を滑りがら悪いところを探し、それに関連するツボを右手で探していく。
すると頭の中では、完全に意識化はしていないものの、次のような流れで何となく会話的な雰囲気になっていることに気づきます。
「ここだよね、、これ」
「そうそう、そこが苦しかったんだよ」
「大丈夫、ツボはここにあって、これを刺激するとラクになるから。ええと・・・こうかい?」
「そうそう、気持ちいい」
「うん、だいぶ取れてきてるね。もう少しハリを傾けて・・こんな感じかな」
というような感じで、この間、患者さんはたいてい気持ち良さそうに眠っています。

「体と会話する」など、学生時代に先生から聞いたときには眉唾物だと思っていたのですが、確かにそういう世界はあるなあと、最近は思います。
また治療も「私が無理して」やるよりも「体の要求に従う」方が、全体としてバランスがきれいに整うことを感じます。
「完全に症状を消す最強の一手ではなくても、気が美しく流れていく最良の一手」が打てるようにすることが今の目標です。

この世界は本当に奥行きがあって面白いです。
始めはどんどん知識や技術を広げていき、複雑さが増していくとある時点から今度はだんだんシンプルな形に収束してき、結晶化していく。
今度はそれを核にしながら、また別な領域を探索していく・・・この繰り返しで、少しずつ自分の技術を深めて行っています。
奥深い世界をどれだけ探求できるかわかりませんが、生きている間にいけるところまでは行ってみたいと切に思うのです。