胸の痛み

chest pain

胸が痛いという患者さんが見えられるとちょっとドキっとします。
心臓や肺の異常かもしれないと考えるからで、もし「痛みの中心が、心臓の反応が出やすい胸骨という胸の真ん中の骨の近くで、更に息苦しさや動悸がある」時には危険な兆候として警戒するようにしています。
しかし治療室では、内臓ではなく肋間神経などの神経痛や小胸筋などの胸の周辺筋の引きつれなどから来る痛みが多く見られ、これらは鍼灸が比較的効きます。
実際の例を紹介します。

・肋間神経痛
70代の女性が胸が痛いといって来室されました。
動悸や息切れなどはなく、痛む場所が腕の付け根から小胸筋あたり、そして肋骨の下で、引き攣れるようなものが前日から続いているとのことでした。

気の滞りは肩口にあり、その部分をハリで整えると痛みが消えました。
症状から大丈夫だとは思いましたが、場所的に帯状疱疹の可能性を否定しきれなかったので、二三日様子を見て万一痛みがぶりかえしてきたり、発赤や水疱ができたら皮膚科の受診を勧めました。
しかしその後は痛みが再発することは無く、そのまま治癒しました。

・帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹で生じた胸から腕の痛みが消えないという60代の女性が来室されました。
風邪のような症状の後、数日して胸から腕にかけて発赤が出て、病院にいったところ抗ウイルス薬をもらったそうです。
薬を飲み始めてから10日ほどたつと発赤からできた水疱は消え去ったのですが、ピリピリする痛みが取れないとのことでした。
胸に気の滞りがあり、それを取った後に、腕の痛みを取っていきました。
直後効果はあまり出なかったのですが、気の反応がなくなっていたので一診目はこれで終わりました。

1週間後に2診目となりました。
痛みは前回治療の翌朝になって半分になり、その状態が続いているとのことでした。
前回と同様の治療をしたところ、直後に痛みが完全に消えたので略治としました。
帯状疱疹の方は時々治療に見えられますが、ハリ治療の予後は良いように感じています。