食の記憶

shougayaki
ドイツのことを書いていたらもう1つ、旅のことを思い出しました。
それは食のことです。
元々好き嫌いが少なく、旅先で出てくる料理もたいていは美味しく食べられるのですが、滞在が2週間を過ぎる頃になると猛烈に日本食が食べたくなります。
それは旅先で食べる、塩や胡椒を使ったジャガイモ料理、こってりしたソースがかかった肉料理、地元野菜を煮込んだカレー料理、などでは決して埋まらない「何か」を体中が求めてくるのです。
帰国してすぐに場末の食堂に飛び込んで「しょうが焼き定食」を食べました。
甘辛の醤油味の肉を頬張り、味噌汁で流し込んだ時、爪先から頭にかけて衝撃が突き抜けました。
醤油、味噌、そしてダシの旨み、求めていたのはコレだったんだと体中の細胞で確信する瞬間です。

引越しが多かったこともあって、自分が属した組織や住んでいた場所に対する帰属意識を感じたことはほとんどない、つもりだったのですが、日々の暮らしで少しずつ体に沁み込んでいった文化の断片のようなものは強く体に残っていることを痛感しました。

知人がドイツに発ってそろそろ2週間、きっと日本食が恋しくなっている頃なのでしょう。