月別アーカイブ: 2014年9月

旅のガジェット

kindle
私にとって旅先ではインターネットは必須となっています。
列車の時間を調べ、ホテルに予約し、今いる場所を確認する。
またネットがあれば移動中は記事も読めるし、amazonで電子書籍も購入できます。
なのでパソコンは必携ですが、ノートパソコンは重いので、タブレットを使っています。
アマゾンの「キンドル」です。
これは高性能な割に安いのですが、それには理由がありました。
それはプログラムで機能を意図的に制限していて、amazonでの商品購入以外のことは使いにくい裏設定が組み込まれているのです。
そのためキーボードを繋ぎにくく、マウスは使えず、グーグルマップは読めず、映像も見ることができません。
その設定とはタブレットの権限者が所有者である私ではなく、売り手であるamazonとなっているためです。
なので今回この所有者を「私」に書き換えることにしました。
これはルーツ化と呼ばれ、破損のリスクと何かあっても保証を受けられない行為となりますが、今回購入後1年経ち、保障期間外となったことから導入を決意しました。
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チベットの幸運のタペストリー

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ネパールにある、チベット人が自治を行なっている村で手に入れたタペストリーです。

厚手の手織りコットン布に、チベット仏教の宝物の中でも特に吉祥の象徴とされたものが描かれています。
仏教世界を反映する意味が込められた宝は次の8つがあります。解脱を告げる「法螺」、仏の教えを広める「法輪」、魔から守護する「宝傘」、無明を救う「白い蓋」、泥の中で咲く大輪「蓮華」、甘露で満たされた「宝瓶」、世俗の海を自在に泳ぐ「金魚」、調和と慈悲の象徴「吉祥紐」の8つで「八吉祥(タシ・タギェ)」と呼ばれて大切な信仰の象徴とされていました。
これはベージュを背景に、赤、青で鮮やかに彩られた色調はポップでシンプルな治療室の彩りとなってくれています。

チベットでは寺院の入り口の垂れ幕や、民家のドアや窓のカーテンにこの吉祥文が使用されていて魔除けや縁起の良いお守りなどとして使われています。
サイズは約55x75cmくらいと意外に大きく、チベットの木を軸として壁掛け用のヒモがつけられています。
治療室ではベッド前の正面に置かれていることが多いですので、機会があればご覧になって下さい。

日本鍼灸を実践する本格派

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知り合いのS先生の所に遊びに行ってきました。
S先生は資格取得後、病院の漢方外来に勤務して臨床を学び、開業に至りました。
治療院は大きな駅から徒歩圏内にあり、周囲は閑静な住宅街に位置し、環境的には申し分ありません。
おシャレなマンションの1Fの店舗スペースで、内装は知人の工務店に頼んで清潔感のある白で統一したそうです。
完全個室が2つあり、それぞれに電動ベッドが設置されています。
またこじんまりとした待合室も完備していて、「こんな治療院にしたい」というイメージを体現したような立派なものでした。
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S先生の治療スタイルは、経絡治療という方法をベースにしていて、脈や漢方腹診で内蔵のどの部分我弱っているのかを判断し、手足の末端にあるツボにやわらかな、やさしいハリを刺すというものです。
これ以外にも独自に研究している「柳谷一本鍼」というものや、勤務していた病院で習った背中のツボに連続して刺していく方法、また腰を特殊セラミック温熱機を使って温めるなど、複数の方法を組み合わせて行っていました。

治療費は1人40分くらいの時間で5000円、開業費用として備品類、賃貸家賃、内装費用などを含めて初期投資が300万くらいかかったとのことで、しばらくは資金繰りで頭が痛いと話していました。
私とは治療スタイルが違いますが、都会の真ん中で奮闘する姿を見て自分も頑張らないといけないなあと気持ちを新たにしました。

龍のタブレット

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5年ほど前にネパールに行ったときに手にいれた石版です。
同国には亡命チベット人たちが集まって暮らす村があり、民族的な雰囲気を宿した品を手に入れることができます。

チベットでは古くから経文を石に刻んだマニ石というものを作るという習慣があり、その細かな石細工の技術は連綿と現在まで伝わっています。
これはその技術を生かして作られた石版で、吉祥の印とされる龍を中心にし、周囲を日本でもおなじみの干支12獣が描かれています。
龍は中国では皇帝の象徴である他、チベット文化を共有する地域でも大切にされていて、ブータンでは漢字名が雲龍国と称されています。

店主は中々の商売上手で、厳しい値引き交渉の末に手に入れました。

お灸教室

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治療室に見えられる患者さんからお灸のことを尋ねられる機会が最近増えてきました。
中々うちに来られない時にお灸で間に合わせることができれば、と思うことからお灸をお奨めすることはあります。

治療で使っているツボは、カラダの反応を見ながら探すオーダーメイドのものなので、同様のものをセルフケアとして探し出すのはむつかしいと思います。
でも、それ以外にも「痛いところや不快なところ」は良いツボですし、市販されている本に載っているツボも上手にとれば結構効きます。

そしてこれら以外に「万能ツボ」というのがあります。
どの病気にも効くというもので、全身にバランスよく分布していて、長い歴史の中で選ばれ、使われ続けたものです。
鍼灸院の中ではどの症状でも「これだけ」で治療を行なっている所もあるくらい効果があります。
使われるツボは治療者の考え方や、その会派の歴史にも関わるのでバラエティがあり、私自身も将棋の山崩しのように余分なものを削りながら、ベストなツボを探しています。

いずれこの試みが実を結んだらお灸教室をやってみたいと思っています。
リラックスした時間に、痛気持ちいい所がお灸でほぐれていくのは病み付きになるくらい気持ちいいですよ。

腕が痛くて眠れない

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先日に治療した90台の女性の方の友人が見えられました。
80代後半の男性です。
数年前から左腕の痛みが続いていて、既に数件の病院に通院して大量の日常薬と鎮痛剤を飲んでいますが、効果がなく痛みは悪化しているようです。
特に夜間痛がひどく、処方されているシップで肌があれてかゆみが出て、痛みと痒みで夜はほとんど眠れないとのことです。
もちろん高齢ゆえに腕以外にも肩、背中、足など体中あちこちが痛いとのことでした。
検査では異常がなく自律神経失調症と診断され、今以上のことはできないと匙を投げられたとのこと。
そんな中で、友人が鍼灸で治癒したので、ダメもとで見て欲しいとのことでした。

数年来続いた痛みは脳内にアロディニアという痛みを感じやすい神経回路ができていることも伺え、治療を躊躇しましたが、例の先輩の言葉
「私達の治療は気の流れをいい方向にもって行くだけで、治るか治らないかは患者さんの身体が決めること」
を思い出して治療を引き受けることにしました。

気の滞りは胸を中心にアチコチにあるようでした。
1診目は胸を中心に気を通しましたが、痛みは全く変わらないとのことでした。
3日後の2診目も特に変化がなく、同様な治療を継続しました。
さらに3日後の3診目も同様な治療をしましたが、あちこちにあった気の滞りが胸の辺りに収束している感じがしました。
また治療終了後に頬に赤味が差し、腕以外の部分の痛みはあまり感じないと話されました。
4診目は一週間後にみましたが、腕もあまり痛まなくなり、シップもつけなくて済んだので痒みもなく、だから夜眠れるとのことです。
昔話もよくして下さるようになり、うちに通院されている同年代の患者さんのことを話すと昔の友達だと喜んで下さるようになりました。
5診目以降はカラダの痛みをあまり感じなくなり、もう眠れるようになったとのことなのでメンテナンスを兼ねて時々訪ねるくらいで十分だとお話しました。

鍼灸はこのように実態のよくわからない症状に不思議な効果を現すことがあります。
服の上から触れるだけなのになぜ効果があるのか、時々治療者である私自身が不思議に思うこともあるのですが、とても面白い治療体系だと感じています。

セレンディピティ

天使

患者さんと話をしていて、ふいに宝くじ買うのってどうなんですかね、という話になりました。
宝くじは胴元である国家が購入金額の半分以上を取り、残りの分を当選者で分け合う、という形式を取っているので、確率という観点から見るとハイリスク・ローリターンの投資とは呼べないレベルのものです。
この胴元であるギャンブルの主催者の取り分は、宝くじやロト6が50~60%、競馬、競輪、競艇が約25%、ルーレットが約5%、パチンコが3~8%くらいです。
これからすると、宝くじはほとんど勝てないギャンブルで、パチンコより分が悪いといえます。
しかし世の中では時に確率を越えるようなセレンディピティと呼ばれる出来事が起こることがあるので、結論付けるのは難しいとも思っています。

例えばここ数年来を振り返ってみても次のような出来事がありました。
知人の今田さんと一緒に、転勤になる吉川さんの送別会をしていた時のことです。
話題が「珍しい苗字」の話になり、今田さんの高校時代の友人の話が出ました。
その時、吉川さんも奥さんからその珍しい苗字の友人がいる、という話を聞いたことがあると話しました。
今田さんは埼玉出身で、その当時の友人は埼玉県から群馬に転校し、吉川さんの奥さんは群馬の出身でした。
そこで「ひょっとして・・・」という話になり、吉川さんは奥さんにその場で電話して友人の苗字、名前、特徴を確認しました。
その結果・・・同一人物だということが判明しました。

また熊井さんという知人と話していた時のことです。
実家の話題になり、そこは江戸期から続く有名な養蜂家だということでした。
それから数日後、同じ町の三森さんと話していた時、母方の祖母に不幸があり旧家だったので葬儀が大変だったという話が出ました。
何となく興味が湧いて実家の仕事のことを聞いたら「養蜂」だといいます。
立て続けに聞いたキーワードが面白かったので、熊井さんの実家のことを三森さんに話しました。
後日二人が顔を合わせた時に話したところ、実は二人の実家は同じでこの二人は親戚筋にあたることが判明しました。
二人は本州の別の県に住み、別々の時期にこの町に移住してきましたので、かなり珍しい偶然の一致だと思います。

私ごとですが、先年、ドイツに行ったとき、偶然知り合ったドイツで開業していた日本人鍼灸師にお会いしました。
そして話の中で彼女のお兄さんはウチの治療室から徒歩10分の所に事務所があることが判明しました。
彼女は本州の出身で、お兄さんはこの町の移住者であることを思うと、これもかなり低い確率です。

最後に偶然についての決定的な思い出を書いてみます。
高校時代、図書館でZ会という通信教材で英訳の課題を解いていた時です。
アメリカの精神科医が書いたと思われる難しい構文が抜粋されていて、辞書で単語の意味を調べても文章として意味がまとまらず、全然わかりませんでした。
なので気分転換で書庫の中を歩いていき、適当に棚の前で立ち止まり、面白そうな本を物色していました。
ふと手に取った本をパラパラ眺めていると、何となく気になったページがありました。
どこかで読んだことのある文章を見つけた気がしたのです。
ページを戻って探すと該当の文章が見つかりました。
それはなんと!私が解けずに悩んでいた英文の翻訳部分でした。
広く、壁一面にある本の山の中で、偶然日本語版が出ている米国の論文を手に取り、数百ページもの中で、その該当文章をたまたま見つけた、というわけです。
この時、鳥肌が腕、肩、首にのぼっていき、誰かに観察されているのではないかという気がして気持ち悪かったのを鮮明に覚えています。
お蔭でこの課題の時には全国でもトップ20くらいに入る高得点を取り、後にも先にもこの一回だけという記念の図書券をもらいました。

このように人生はふとしたことで確率を越えるような途方もない出来事が起こることを実感しています。
なので宝くじに夢を乗せることは無駄ではない・・・のかもしれませんが、振り返っていてもこうした出来事は無心・無欲である時に起こるような気がします。
だからやっぱり欲にまみれた私が買うことはないのだろうなと思います。

中耳炎

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全身治療でメンテナンスに見えられている方が耳が痛いといわれました。
右耳の耳珠と呼ばれる突起の所から穴のある外耳にかけて、奥に響くような痛みが1週間くらい続いていて、前の日から耳の下あたりに痛みが出ているとのことでした。
特に風邪を引いたり、鼻の症状はなかったと言います。

症状から恐らく中耳炎ではないかと思いました。
中耳炎は鼓膜の奥部分に細菌などが入り込み、炎症を起こして痛みや膿みが出る病気です。
細菌は鼻の方から入り込むので風邪の後やプールを利用する子供などに多く見られます。
痛みが出ている耳下はリンパが分布しているので、炎症反応が出ているように思えました。

耳周辺での気の滞りはわかりませんでしたが、治療のための反応点は耳周辺部から取ることができたので、リンパ部分と外耳からとった治療点をハリで刺激しました。
痛みはそのまま取れてしまい、微かな違和感だけになったと話されました。
そして後日連絡をいただき、翌日、中で膿がはじけるような生暖かい感触があり、それ以降、痛みは出ていないと話されました。

治療室で多く見かける腰や膝などの痛みなどは、気と共に張りや痛みを作る感触を皮膚で確かめられるのですが、今回のような奥にある痛みや炎症は治療の効果を感触で確かめることは難しいものでした。
そんな中なので微かな治療点を頼りに治療をしてみたのですが、よい方向に体が進んでホッとしました。