無意識との対話

o0480064012787262108鍼灸は元々は中国医学から生まれました。
中国医学は哲学、政治、科学、医術、果ては占いまで、様々な自然現象やヒトの行いを統括する概念を構築しています。
その概念で行き着くところは「気」です。

気は陰と陽に分かれ、それら陰と陽を3つ組み合わせて1つの要素を作り上げるとしています。
例えば、陽が3つで「天」、陽2つと陰1つで「沢」、陰2つの間に陽1つを挟みこんで「水」などです。
そしてこの天とか沢とかを1つづつ組み合わせると「卦」という新しい意味が生じます。
たとえば天と沢で「履」という卦が生じます。
これが易という中国式の占いです。
自然の変化を64の象徴に落とし込んで、この象徴を元に運気の流れを判断します。
例えば、先ほどの「天沢履」が示しているのは「虎の尾を踏もうとするような危険への接近」です。
この履のイメージを頭の片隅に置きながら、無意識を自由に遊ばせながら直感のように浮かんでくるイメージをすくい上げていきます。
卦の持つイメージは良い意味にも悪い意味にもとれるものが多く、卦に問う作業を繰り返す中で、出来事自体には元々善悪はなく、各人の判断がそれをもたらしていることを感じました。
私の治療では気の動きを重視していることもあり、この易と共通する事柄に驚きながら、研究を続けています。

占う方法は簡単です。
筮竹、なければサイコロやコインなどを使って、ランダムな状態から卦を導くだけです。
占う瞬間のその人の持つ背景から偶然の導きで得られた卦を手がかりにして、直感のように浮かぶイメージで判断します。
これは続けていくと何かと対話しているような不思議な感触がしてきて、それは多分潜在意識だと思うのですが、熟練した占い師はどんなことも示してくれる「易の神さま」と話しているように感じると言います。
私も治療に集中している時にまるで患者さんの体と対話しているような気分になることがあり、その時の感じとこの占いの感覚が似ているように感じました。

このように「冷静なもう1人の自分」と対話するような面白さが占いにはあると感じます。
易以外でもタロットなども同様の理論なのでしょう。
こうした占いへの過度の依存は考えものですが、人生の重要な局面を迎えたとき、無意識が語りかけてくる小さな声に耳を傾けてみる価値はあると思います。