子供と豊かさ

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ネパールの田舎町に一週間ほど滞在しました。
この国も首都の方は今や開発ラッシュで慌しくて、まるで日本のようなのですが、田舎の方ではまだのんびりした雰囲気を残しています。
段々畑や田園地帯が広がっていて土地は豊かなので、自給自足をすればのんびり暮らせます。
資源もない貧乏国なので、これまでに積極的に攻め込んでくる隣国もいませんでした。
そのせいか、この辺の人々はあくせくせずにのんびり暮らしていました。

私はさっそく行きつけの喫茶店を見つけて毎日のように通い詰めていました。
ここは美味しい朝食を出してくれるのです。

morning

ご夫婦でやっているのですが、奥さんは近所の奥さんと井戸端会議をやっていることが多く、旦那さんもよく不在にしていました。
ある日も奥さんが1人で本を読んでいたので「旦那さんはどこに行ったの?」と尋ねると、「天気がいいから、レイクサイドをサイクリングしているわ」と言います。
万事がこんな感じでした。
また喫茶店でよく見かける小学生くらいの女の子がいました。
店の人からジュースを飲ませてもらったりしていたので、てっきりここの子かと思ったら、近所の子でした。
いつもママさんの後ろに隠れて少しだけ顔を出してはにかむように笑っている姿は、何だか遠い昔に見た日本の子供を思い出させました。

そんな感じなので、この町の平均収入は都市部に比べると遥かに少ないのですが、肌に感じる印象は貧しさどころか優雅でのびのびした暮らしぶりでした。
特に子供は好奇心旺盛で、恥ずかしがり屋で、子供らしい子供が多かった気がします。
夕方には学校から帰ってきた小学生くらいの子供が路地を走り回りながら、近所の他人の家に自由に出入りし、それをまた皆が大らかに許しているのです。
そして薄暗くなるとカレーに似たダルスープのいい匂いが漂い始め、子供たちはめいめいが温かな我が家に帰っていきます。
こういう子ともたちが多い場所はGNPなどの経済指標では決して図れない豊かさがあるのだろうなと思わせました。

私が現在住んでいるこの場所もまだそうした気配を残していて、家路に向う子供たちの背中を見ると、ネパールで過ごしたかつての日々を懐かしく思い出します。