チベット医学の診療所

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中国医学と仏教医学をハイブリットで運用しているというチベット医学に興味があり、クリニック「クンフェン・チベット・メディカルセンター」を訪ねました。
クンフェンとは「慈悲」を意味するチベット語です。
せっかくの機会なので私自身が治療を受けてみるつもりでした。

クリニックは入り口が小さくてわかりにくいのですが、中は伝統的な建築様式になっていて広い中庭があり、そこを横切って奥の建物に診療室がありました。
待合室は10人ほど座れるイスと正面に受付兼薬剤処方のカウンターがあり、2人の女性が忙しそうに立ち働いていました。
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しかしここは既に満員になっていて中庭にあるベンチには入りきれなかった患者が10名ほどがのんびり待っていてかなり繁盛しているようでした。
患者はほとんどが地元の人で、外国人は私一人です。
当然ながら好奇の視線にさらされました。

診察していただいたのはタシ(Tashi)先生です。
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ラサにある医学校(メン・チー・カン)を卒業した女医さんで、父のKunsang医師と共にクリニックでの治療にあたっているとのことでした。
タシ先生はメガネの奥に静かな瞳をたたえたやわらかな雰囲気の人で、理想の女医さんを思い浮かべた時に何となくイメージするそのまんまの方でした。
疲労と寝不足を抱えていたので、そのことを簡単に説明すると診察が始まり、手を取られました。脈診です。
手首に3本の指を置き、片腕ずつを順番に見ていました。
先生によれば、私は「カラダの中の風(気、ルンと言う)の巡りが悪く、ストレスを抱えており、背中全体が張っている。
また腎臓の働きがよくないので、水分を十分に取り、コーヒーなどは控えるように」というアドバイスを受けました。

診察時間は15分ほどで、受付で薬草で作った丸薬2週間を出していただきました。
薬草は国境に近い高山地方で採取された自然のものが使われていて、赤やピンクのカラフルな紙で包まれていました。
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これをお湯と一緒に噛み砕きながら食事の前後に飲むのですが、かなり苦い味でした。
各国の医学はそれぞれの伝統や文化と軌を一にしながら存在しているので、とても多様性があって興味深いと思います。
体が動く限り、時間が許す限り、そうした文化を見てみたいものです。
来年は時間を作って少し長く旅してみるつもりにしています。

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