漢方と整体を極めたクリニック

以前から興味を持っていた東洋医学クリニックを訪ねてきました。

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院長先生は元々循環器内科を専門としていたのですが、奇縁から東洋医学を研究するようになり、漢方、整体、鍼灸などを駆使して治療にあたって内科疾患、痛みなどの整形疾患から癌や難病まで幅広く対応しています。
漢方は名医とうたわれた日本漢方の達人や本場中医学の老中医から秘伝の処方を引き継ぎ、整体や鍼灸は自ら全国の名人を訪ね歩いて身につけたということで興味津々で訪ねました。

クリニックは閑静な住宅街にありました。
治療はまず問診から始まりますが、予め記入する問診用紙は主訴と既往歴を記入する程度の簡単なもので、一般的な漢方で聞かれる膨大な問診用紙を想像していた私には拍子抜けでした。
診察では初めにまっすぐに立つように指示されて姿勢をチェックし、歪みやバランスを見ているようでした。

一通り体全体のバランスを確認すると実際の治療に入ります。
始めにうつ伏せからで、片方の胸の下に薄い枕を入れて背骨周りの筋肉の緊張を取る治療が行われました。
背骨の横や、首の付け根、肩、腰などを指のようなもので圧迫してくるのですが、思ったより痛くて、てっきり指圧をされているのかと思っていたのですが、実際には木の棒が使われていました。
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この棒は中心に親指程度の突起が付いていて治療者の体重を効率的に乗せられるので、指を痛めずに筋肉を緩めることができるようでした。
背中が緩んでくると次は臀部に移ります。
私の曲げた膝を抱えて、片方の手で仙骨を押さえたまま膝を小刻みに動かすというもので、この時点で体は風呂上りのようにポカポカと温かくなっていました。

次は横向きに寝るように指示されて、掌を使って横腹付近と臀部を押して、股関節を前後に挟んで矯正しているようでした。

その後は仰向けに寝て首の調整が行なわれました。
私の首の下に手を入れて揉んだり、首をつまむようにしたり、左右に回したりしました。

最後に座位になって先生が私の背中に膝を当てて後ろに体を預けるような形で背筋を伸ばすと治療終了になりました。
体はポカポカと温かく、背中にあった重苦しさが消え、しかも問診時に話していなかった左手首の痛みも直接触れていないのに薄くなっていました。

全ての治療が終了すると先生は私の顔色を見ながら状態を確認しました。
私が「治療がよく効いていること」や「手首の痛みが薄くなっていること」を伝えると先生が私の舌の裏と胸下に圧痛があることを確認して「血の滞りがある」と話しました。
そして手の平が埋まるくらいの大量の漢方丸薬を持ってきて、これを飲んでしばらく待つように言われました。
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これまでの人生で飲んだ最大量の薬で、5回に分けてやっと飲み干しました。
そして15分が経過してあらためて確認すると、胸と腰の圧迫感、左手首の痛みは完全に消えていました。
この漢方薬の即効性には驚かされました。
先生によれば漢方は本来即効性があり、15分を過ぎても効かないのは処方が合ってないか量が少ないかのどちらかだ、とのことでした。
そして治療後は胸の辺りの重苦しさは消えて爽快感に包まれていました。

このクリニックが整体で目指しているのは「背骨を支える筋をほぐすこと」のようでした。
背骨からは多くの神経が内臓や手足に向かって出ているので、この筋が硬くなると内臓なら自律神経の障害、手足ならシビレなどの症状が出てくると考えられます。
そこで筋をほぐすのですが、背骨の筋肉は硬いので指の力だけだと大変なので、木の棒を使った道具を開発したのでしょう。
一般の鍼灸治療でも背骨周りには愈穴と呼ばれるツボが分布して重要されているので、先生は実践の中でこのことを再発見したと言えるのかもしれません。

そしてもう一つの核となる治療は漢方治療です。
日本と中国の大家から直接伝授され、実践によって磨かれたその処方は的確で驚くほどの即効性を持っていました。
その対象となる疾患は風邪などの内科疾患から腰痛などの整形疾患、そして皮膚疾患、癌などの難病まで幅広く及んでいて驚かされました。
院長は気さくな人柄で、漢方や失われつつある優れた民間療法を治療に取り入れようと情熱を傾けていることを熱っぽく語られていました。

色々な治療法と名人の技を体験し、自分も頑張らなければいけないなあと気持ちを新たにしました。