台湾の中医師

台湾では鍼灸は中医師という東洋医学を行なう医師が行なっていました。
中医師は大学の医学部で7年間学び、国家試験に合格しなければならず、内科や外科などと同様に中医学科として制度化されていました。
日本では一般の医師が鍼灸と漢方と両方、鍼灸師が鍼のみ、薬剤師が漢方のみを行なっていますが、台湾でこの中医師が鍼灸、漢方を使って治療を行なっています。

今回は台湾の中医師が一時期私の母校に針灸留学していたご縁で、勤務先の病院を案内していただきました。

この病院は市立の施設でビル1棟が病院となっていて、中医学科はそのうちの1フロアに入居していました。
そして更に針灸科、漢方科、傷科(整骨科)に分かれていました。
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針灸科では2人の医師と2名の看護師でベッド20台ほどを担当していました。
そして一人当たり問診3分、針治療が10分以内という時間配分で次々と患者さんを回していました。
短い時間で治療を終えなければならないのは保険との兼ね合いとのことで、日本の健康保険とよく似た制度を取り入れているようでした。
治療費は一回分の患者負担が約200円、保険として医師に支払われる分が約800円で、6回を1クールとして一ヶ月以内に来院しなければなりません。
そのための保険料は1700円/月くらいということで、日本に比べると割安感がありました。

台湾では中国文化に馴染んでいるため鍼灸への抵抗感はなく、多くの患者さんが来院されていました。
来院している患者さんは、各種の痛み、生理痛などの女性疾患、自律神経失調、パーキンソン病、リウマチなどの方が多いようでした。
鍼は日本の一般的なものよりやや太いものを使い、部位にもよりますが大体3~4cmくらいは刺しておられました。
とにかく凄まじい数の患者さんで、それを次々に捌いていく中医師の手技はスピーディで見事でした。
また看護師さん(台湾では護理師と言います)も忙しい中をキビキビと働いていて、少し時間があれば漢方薬を沁み込ませたシップ薬を作ることに余念はないようでした。
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こうした海外渡航の折には現地で活躍する日本人も探しているのですが、台湾では日本との資格の互換を認める制度がなく、7年もの期間を費やす時間と経済上の負担から日本人中医師はほとんどいないようでした。
その一方で中国医学を学ぶ日本人留学生はいるようで、案内してくれた先輩の母校には東京女子医大の女医さんが学んでいるとのことでした。

先輩は複数の病院をかけもちして変則的な時間で夜10時くらいまで働いていました。
その合間に昼や夜の時間を見つけては、食事に付き合ってくださったり、町を案内してくださったりと心のこもったもてなしをして下さり、本当にありがたかったです。
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