バリ島の魔法の布

grinsin
治療室は個人的に興味のある品を飾っていて、多くは旅行に行った折に持ち帰ってきた思い入れのあるものばかりです。

これはバリ島の奥地にある「トゥガナン村」というバリ先住民が伝統的に作っているタペストリーです。
気が遠くなるほど大昔から大変な手間と時間をかけて作られていて、インドネシアの祭祀などで使われています。
この布は「グリンシン(Gringsing)」という名で呼ばれていて、「病気(gring)なし(sing)」の意味を持ち、無病息災と幸運をもたらす魔除けの布だと信じられています。

グリンシンは幾つかの紋様を織り上げるため、予め天然染料で数ヶ月かけて染めを行ない、最終的に少女が織り手となって織り上げていきます。
大変な根気と時間を必要とする難しい作業で、織り上げるまでには小さいものでも数ヶ月、大きいものだと数年もかかります。
この予め染めた縦糸と横糸で併せて織り上げる「ダブルイカット」という織り方は世界でも稀な技法で、現在は一部の地域でしか伝承されていません。

織り込まれるパターンは「太陽」や「バリ島に自生する花や植物」、「ヒンズー教の神の武具」など決まっていて、所有者の生まれ月によって決まっています。
それぞれの文様には哲学的な意味があり、生きる指針をも示しています。
写真のものは神さまの武器「チャクラ」というモチーフです。

グリンシンはこうした「いわく」のある布で、長い伝統で紡がれた生きた布です。
バリ島の夕日のような赤い模様を見ていると、随分昔にクタから片道4時間も車で揺られながら訪ねた「トゥガナン村」の夕日が懐かしく思い出されます。

バリ島の魔法の布」への2件のフィードバック

  1. 山本 トトロ

    本日はありがとうございました。早速ネットを開けています。トトロはネズミとこうもりのあいの子で私がネズミ年生まれで
    体型の太さも気に入り、ネット名にしています。今晩よく眠れると良いのですが・・・腕が重い。届くかな?

  2. little-forest 投稿作成者

    >トトロさま

    さっそくお越しいただきありがとうございました。
    素敵なペンネームですね。
    今日は早めに眠気が来ると思いますので、ゆっくりお休み下さい。

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