癌性疼痛

歩行困難
60代の女性が腰を中心に体中が痛い、と来室されました。
腰を中心に痛みと重だるさが広がっていて、足や肩が特に痛く、歩くのも杖を使ってやっとの様子でした。
ベッドに横になるのも苦痛で、一番楽な姿勢はやわらかいイスに座った状態で、夜は痛みのため眠れないので強い睡眠薬を飲んでいるとのことでした。

お話を聞いてみると10年前に大腸ガン、2年前にも腸閉塞で手術をして、現在も近医の外科に通院して抗癌剤と痛み止めのモルヒネを処方されているとのことでした。
詳細な状態についてはご本人も理解しておられないようですが、2年前の手術の状況、そして深刻な夜間痛、カラダの動作と関係なく生じる痛みなどから末期の状態にあるように感じました。

そのため、鍼灸では既にここまで進んだ病気の勢いを留めるのは難しいこと、それでも薬の副作用から来る不快な症状や痛みは弱められる可能性があることをお話した上で治療に入りました。

まず気の滞りはあちこちにあり、治療の対象を決める焦点が何となく定まりませんでした。
なので直接痛みが出ている部分の状態を確認しながら治療点を取って行きました。
痛みのためベッドに横になることができなかったので、座ったままの状態で行ないました。
かなり重い症状が出ている患者さんに対してこのような姿勢で行なったことはあまりなかったのですが、時々行なっているcafeでの治療経験が少しは役に立った気がします。
治療後は全身の痛みがかなり取れ、顔色が良くなりました。
これから病状が悪化してきたとき、どれほど鍼灸で効果が続けられるかはわかりませんが、少しでも力になりたいと思いました。