チベットに広がる仏教世界

mandara
5年ほど前にネパールのパタン市で手に入れた仏教画です。
ネパールには亡命チベット人が暮らしていて、彼らの文化が根付いています。
お釈迦さまが作り上げた仏教はインドからチベットの高原地帯に伝わった時に、密教という独特な世界観を作り上げました。

この絵はその中で最も重要とされるマンダラを描いた肉筆画です。
マンダラは、チベットの高僧が瞑想の中で感じた世界観を図にしたものとされ、ネパールではタンカとも呼ばれています。
実際にチベット僧は瞑想する時にはこのマンダラを通して宇宙の真実に至るとされていて、一般民衆も信仰の対象としてとても大切にしてきました。

絵柄は伝統に従って正確に描かれています。
真ん中に主尊の仏を置き、周囲には関連する仏、それらを包む楼閣という正方形に、吉祥紋、円形の火炎輪、法輪などが続きます。
手作業でアフガニスタンのラピスラズリなどの岩絵具を使い、髪の毛のような細い筆のみで定規やコンパスなどを使わずに1つ1つ描かれ、完成まで数ヶ月もかかります。
こうしたタンカの多くは原色系でカラフルな仏さまが描かれているのですが、これは紫と金を中心とした気品が感じられ、一目惚れしたものです。

ネパールはその後経済を順調に伸ばして、今は随分と物価も高騰していると聞いています。
この時お世話になったたくさんの人たちと再会したいのですが、その思いは中々叶いそうにありません。